もしもアマゾン式に「空飛ぶクルマ」の企画書を書くなら

 今から5年後に「空飛ぶクルマ(乗用ドローン)」を発売するという企画を想定しています。あくまでPR/FAQが、どのようなものかをイメージしていただくために書いたので、この分野に詳しい人などからすれば気になると思われる、さまざまな粗さをご容赦のうえ、イメージをつかんでいただければありがたいです。ライブ感を高めるために毎日タイムズ新聞という架空の新聞に掲載されているという設定で書いています。拙著に掲載した架空のPR/FAQを、一部割愛して、ご紹介します。

毎日タイムズ新聞

2026年10月1日

東京モーターが、マイカー感覚で使える 「乗用ドローン」を発売

 東京モーター株式会社は、このほど「乗用ドローン」を発売しました。 「空飛ぶマイカー」として使える、この「乗用ドローン」の大きさは、幅2メートル、長さ4メートル、高さ1.5メートルで、定員は4名です。従来の乗用車とほぼ同じ大きさで、ご自宅の駐車場に駐機することが可能です。

 乗り込むとすぐ、地上から1メートルの高度に上がり、そこからは自動車と同じ交通ルールに従って移動します。完全自動運転なので、目的地をセットすれば、到着までの時間を自由に使えます。

 でも、ドローンの最大の魅力は空高く飛べること。そこで、東京モーターでは、××省の認可を得て、都市部ではおよそ10平方キロメートルに1カ所の割合で「上昇(下降)可能ポイント」を設定しました。上昇可能ポイントに到着すると乗用ドローンは、自動的に高度50メートルまで上昇し、高速移動します。

 同じ方向に向かうドローンがいる場合、一方が垂直上昇し、5メートルの高度差をつけて移動するので、渋滞に巻き込まれることがありません。このような仕組みで、都心であれば、渋滞知らずで10キロメートルの距離を約10分で移動することができます。

 完全自動運転がもたらすもう1つのメリットは、目的地に着いた後、駐機場を探す必要がないことです。ユーザーが目的地で降りた後、自動で駐機できる場所を探し出して移動し、ユーザーからスマホを使って呼ばれるまで待機します。

 最高速度は時速250キロメートル。東京・大阪間を約2時間で移動することが可能です。(※ただし、現在の最長航続距離は200キロメートルですのでノンストップではいけません)

 高速移動の場合には、自動車用の高速道路の上空を高度50メートルで飛びます。他のドローンがいる場合には、5メートルの高度差をつけて、高度55メートルの地点を飛びます。100メートル上空までを使えるので、11台が並行して高速移動できます。ドローンに搭載された人工知能(AI)が互いにコミュニケーションすることで、衝突を避ける安全機能も装備しています。

 購入価格は、1台5500万円(税込)です。サブスクリプションの場合、利用回数に応じて月額10万~100万円(税込)のプランを、ご用意しています。

*試乗した翔太さんからのコメントです。
 「都心のオフィスに行くとき、マイカーだと渋滞に巻き込まれて1 時間かかっちゃうときもあったけど、この乗用ドローンだと確実に10分で着くね。 はじめは、空中を移動するのは怖いかと思ったけれど、上昇も下降もスムーズだし、揺れは普通の自動車より少なくて、安心感がある。これがあれば、駅の近くに住む必要もないし、会社の近くに家を持つ必要もないね。個人で購入するのは負担が大きいけれど、経営している会社用に購入するのはいいかも。投資効果から判断したいね」

*試乗した泰子さんからのコメントです。
 「完全自動運転は、赤ちゃんと一緒のときにはいいわね。私が運転しないで遊び相手になれて赤ちゃんがぐずらないし、意外に揺れないので、授乳やおむつ替えも簡単にできるわ。風が強い日にも揺れないといいけど。おじいちゃん、おばあちゃんの家は、100キロも離れているから、最近はZoomでしか孫に会わせられなかったけれど、この乗用ドローンを使ったら30分で着いちゃった。これなら週1回くらい遊びにいけるし、おじいちゃんとおばあちゃんも欲しいって。最近は、車を運転するのが不安になっていたみたい。こんな乗り物が欲しかったのよ。はじめは一番安いサブスクプランで試したいわ」

【FAQ】

1.もしモーターが故障したらどうなりますか?
 モーターは4個が独立した形で装備され、2個まで故障しても安全に地上に降りることができます。万一、4個のモーターがすべて故障した場合でも、5個目の予備のモーターがあります。急降下で着陸するとき、緊急的に5個目のモーターで短時間の浮力を生むことで、乗員へのダメージを最小限に抑えるシステムになっています。

2.ドローン同士が衝突する可能性はありますか?
 完全自動運転で、かつ互いに通信し合いながら移動しているので衝突する可能性はほとんどありません。数万時間のテストフライトを繰り返した結果でも衝突は発生していません。

3.利用には免許が必要ですか?
 完全自動運転なので、乗員が運転することはなく、免許は不要です。××省の指導の下、運行時の高度や昇降ポイント、加速ポイントなどを定めることで自動運転を実現し、認可を受けています。このためマニュアルモードはありません。

 いかがでしょうか。実際には、FAQの数はもっと多くなりますが、 アマゾンのPR/FAQとは、概ねこのような内容です。

アマゾンをはじめ、配送用にドローンを活用する実験は進んでいる。さらにマイカーのように利用できるドローンが現れ、普及するのは、今から何年後だろうか(写真:ユニフォトプレス)
アマゾンをはじめ、配送用にドローンを活用する実験は進んでいる。さらにマイカーのように利用できるドローンが現れ、普及するのは、今から何年後だろうか(写真:ユニフォトプレス)

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