世界は今、5つの大波の中にいる!

 つまり、今まさに新たな大波に乗る絶好のチャンスが目の前に来ているということです。以下が、その5つのイノベーション・プラットフォームです。


  • エネルギー貯蔵(Energy Storage)→自動運転、蓄電池システム
  • 人工知能(Artificial Intelligence)→ニューラルネットワーク、携帯型コネクテッド機器、クラウド、IoT
  • ロボティクス(Robotics)→適応型ロボット、3Dプリンティング、再生利用可能ロケット
  • ゲノム解析(Genome Sequencing)→シークエンシング技術、ゲノム編集、免疫療法
  • ブロックチェーン技術(Blockchain Technology)→ブロックチェーン、円滑な送金

 5つのプラットフォームの右に、それらに含まれる14の革新的技術を記しました。すでにこれらの技術革新を使った新事業が続々と生まれているので、聞き慣れた言葉ばかりという方も多いでしょう。

「破壊的イノベーション」に無縁な仕事などない

 今まさに到来している上記5つのイノベーション・プラットフォームと派生する技術革新の波は、広範な業界に影響を及ぼすものばかりです。この5つの波にまったく無縁な、聖域のような業界など存在しないと思います。

 ですから今は、どんな企業であっても、個人でも、現在進行中のこれらの技術革新が、自分たちには関係ないと安心することなどできません。規制に守られた業種や参入障壁の高い業種、資格・免許が必要なセクターなどであれば、イノベーションの荒波が押し寄せるのが少し先になるかもしれませんが、時間の問題でしかありません。押し寄せたときに無防備であれば、取り返しはつきません。

 逆に、今従事しておられる業界が万が一、新しいイノベーション・プラットフォームにまったく無縁な業界であるというのならば、非常に幸運です。今の事業をこれまでの延長線上で改善・進化させていければ、後発の競合に負ける可能性は非常に小さいです。ただし、私にはそういうイノベーション・プラットフォームの波とまったく無縁の業界というのは、今のところ思いつきません。

 その状況を前向きに捉えて、これらの技術革新を能動的に活用し、顧客に新しい価値提供をする方策を考えることができれば、「失われた30年」を挽回するチャンスになります。だからこそ、どの業界でどのような仕事をしている人にも、これらの技術革新について学び、イノベーション創出に生かすことが重要になるはずです。

 先ほどARKの資料で見たように、インターネットクラスの大きな技術革新のイノベーション・プラットフォームが5つも同時並行で進み、技術革新を次々に生み出す時代です。これから社会にどんな変化が起きるのかを想像すると、目のくらむような思いがするという方もいらっしゃるかもしれません。

 振り返れば「失われた30年」の起点となった1990年前後というのは、当時、私が技術者として働いていたソニーで、主力事業だったオーディオ製品や映像関連製品が、アナログからどんどんデジタルに切り替わっていく時期でした。

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