社外のファンをどれだけ増やせるか

 不測の事態に備えるという意味では、メインバンクや主幹事証券、弁護士や会計士などの社外関係者と良好な関係をつくっておくことも重要です。いざというときに協力してもらえるかどうかで、会社の未来を左右する可能性もあります。

 社外関係者と良好な関係を築くには日ごろの誠実なコミュニケーションの積み重ねと、汗をかいてくれた人にきちんと報いることが大事です。資金調達のための法律や制度について正確な情報を提供してくれたり、人との縁をつないでくれたりする人たちを大切にすることで、いざというときに力になってくれるはずです。

 社外のファンとの関係構築という観点で、株主についても触れたいと思います。

 例えば、スタートアップであれば大株主を持つべきなのか、多くの人に株主になってもらうのか、上場企業であっても誰に株主になってもらいたいかを戦略的に決めていく必要があります。資金調達の考え方は企業のステージやビジネスモデルや戦略によっても変わってくるのです。

 株式会社にとってステークホルダーとなる投資家には主に個人投資家、国内の機関投資家、海外の機関投資家の3つがあります。誰にメインで応援してもらいたいかということを考えなければなりません。コンシューマー向けのサービスを展開する企業では個人投資家にアピールすることが大きな事業貢献につながることもあるでしょう。

 一方、海外の機関投資家はITの活用などテクノロジーの重要性は理解してくれますが、ファンドのサイズが大きく流動性がないとこちらに目を向けてくれません。こうした特性も踏まえて検討していくべきでしょう。

 投資家とのコミュニケーションで大事なことは、会社が目指す方向性と情報開示の内容に一貫性があることです。米アマゾン・ドット・コムや米テスラが証明しているように、成長することは損益計算書の黒字化と同義ではありません。

 また、投資家が成長を期待している場合には、黒字決算でも株価は上がらないこともあります。CFOが投資家に企業の成長ストーリーをどのように伝えるかで株価に大きな影響を与えます。

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