「共生」で競争を避ける――「協調戦略」

 経営資源が劣る企業のもう1つの戦略として、より強い企業と「共生」し、攻撃されない状況を作り出す方法がある。リーダー企業にとって、当該企業に同質化をしかけたり、攻撃したりするよりも、当該企業と手を組む方が得になる場合、両社間に共生が成立する。

 例えば、セブン銀行はATMに特化した銀行だが、競合行はセブン銀行と提携し、セブン銀行のATMで現金が引き出せるようにし、同時にコスト削減のために自行のATMを削減している。ATMに関して、セブン銀行と他行は共生しているのである。

 こうした戦略を「協調戦略」と呼ぶ。

 本連載では、以下、「ニッチ戦略」「不協和戦略」「協調戦略」の順に、具体例を挙げて説明していく。

85の成功事例から見えた不変の法則
ロングセラーを大幅加筆してリニューアル!

 いかにして競争せず、自社の独自性を貫くか。そのための戦略を「ニッチ戦略」「不協和戦略」「協調戦略」の3つに整理して解説。DX(デジタルトランスフォーメーション)やSDGs(持続可能な開発目標)、コロナ禍といった企業を取り巻く環境が激変する中でも、利益率を高める不変の法則を明らかにする。

 好評だったロングセラーの改訂に当たり、企業事例を中心に大幅加筆。有名な企業だけではなく、知られざる中小企業の成功事例も数多く取り上げ、様々な業種、様々な規模の企業のビジネスパーソンが実践できる内容だ。

山田英夫(著) 日本経済新聞出版 2200円(税込み)

この記事はシリーズ「「競争しない競争戦略」のススメ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。