頻繁に解約せず続けるための秘訣

 つみたてNISAは非課税期間20年という長期投資を促す制度にもかかわらず、1年程度で解約してしまう人も多いようだ。

 つみたてNISAは、保有している投資信託をいつでも一部または全部解約できる、つまりどんな用途にでも使えることが利点だ。ただ、何の目的もなく、少し値上がりしたからといって解約(利益確定)したり、値下がりしたため怖くなって解約してしまったりを繰り返していては、長期的な資産形成はできない。できるだけ長く保有し、頻繁に解約しないことが大切だ。

 ところが、現実にはこれがなかなか難しいようだ。では、どうしたらよいのだろうか。

時間を味方につけよう

①ルール化する
 感情が先に立つと、保有する投資信託の価格が下がると怖くなってしまう。きちんとルールを決めて、それを淡々と実行するのが一番だ。例えば、自分なりの「投資方針書」を作成しておき、不安になったときにはそれを読み返すと効果がある。これは、アメリカの著名な投資家であるチャールズ・エリス氏や投資教育家の岡本和久氏などもすすめている方法だ。

 投資方針書というと何やら難しそうだが、要は「自分がどういう方針で運用するか」をまとめておくものだ。例えば、次のような内容を決めておくとよいだろう。

〈投資方針書の例〉

  • 目的→リタイアまでに老後のお金を作る
  • 運用期間→60歳までは積極運用、その後は株式の比率を下げる
  • 運用方法→投資信託の積み立て(iDeCoやつみたてNISAを優先的に利用する)
  • 配分→リスク資産と無リスク資産(預金)が半々になるようにする
  • 商品→積み立てるのは日本株と日本を除く世界株のインデックス投信。それとは別に、課税口座で個人向け国債を保有する
  • チェック方法→年に一度、年末に配分と時価評価額をチェックする
  • その他→万一に備えるお金として、生活費の半年分は預金に置いておく

 これはあくまでも一例なので、自分のまとめやすい方法で書いておこう。投資を始めてから、必要な項目を付け加えたり、見直したりしてもかまわない。結婚などを機に、再度、投資方針書を練り直したという投資家の方もいる。

②仲間を作る
 コロナ禍ではリアルな場で集まるのは難しいのだが、仲間と情報交換ができる場があるとよいかもしれない。学生時代の友人や、会社の同僚でそうした話ができる人をみつけられるとよいだろう。今はオンラインが中心だと思うが、対面の研修(企業型確定拠出年金の継続研修など)などが復活したら、そうした仲間を探してみよう。意外と身近なところにいるかもしれない。筆者は2010年から「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕ベ(東京)」という交流会を開催している(Facebookページ「コツコツ投資家がコツコツ集まるファンページ」を参照。東京以外も、札幌から沖縄まで行われている。幹事はボランティア)。

長期的な資産形成のためには、投資信託を頻繁に解約してはいけない(写真:lovelyday12/shutterstock.com)
長期的な資産形成のためには、投資信託を頻繁に解約してはいけない(写真:lovelyday12/shutterstock.com)

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