つみたてNISAでは世界の株式にまとめて投資する商品を

 では、つみたてNISAを始める場合、どのように商品を選べばよいのだろうか。

 つみたてNISAは「株式に投資する投資信託」と「株式を含む資産複合型(バランス型)」が対象だ(債券やREITだけに投資する商品などは対象外)。そして、運用益が非課税、対象となる投資信託の手数料が低い(対象商品はすべて購入時手数料が無料で保有中にかかる運用管理費用〈信託報酬〉の料率にも上限あり)、非課税期間が最長20年という特徴がある。

 長期で効率的な運用ができるので、金融資産全体で考えると、なるべく期待リターンが高い商品で運用するのが合理的だ。長い期間をかけて運用していける人は、株式に投資する投資信託をメインに据えたいところ。株式は、長期的には債券(国や会社などにお金を貸す代わりに発行してもらう借用書のようなもの)よりも高いリターンが期待できるからだ。

 ただ、長期的に価値が向上していくとしても、短期的には株価が大きく変動することもある。株式に投資をする場合、まずは世界の株式にまとめて投資することを考えよう。世界の株式にまとめて投資するにはいくつかの方法がある(図表2)。

図表2 世界の株式に投資する方法
図表2 世界の株式に投資する方法
(出所)『こんなときどうする? どうなる? Q&A 3つのNISA 徹底活用術』157ページ
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 図表2の①は、1本で日本を含む世界の株式にまとめて投資する方法だ。具体的には「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI<エムエスシーアイ・アクイ>)」に連動することを目指すインデックス投信や、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」に連動することを目指すインデックス投信に投資する。

 例えば、前者、MSCI ACWIに連動する投資信託には「eMAXIS Slim(イーマクシス・スリム)全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際投信)などがある。後者の代表例は「楽天・全世界株式インデックス・ファンド〈愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)〉」(楽天投信投資顧問)や、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド〈愛称:雪だるま(全世界株式)〉」(SBIアセットマネジメント)だ。

 図表2の②は、日本株と日本を除く世界株を組み合わせる方法だ。例えば、「MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円ベース)」に連動する投資信託なら、1本で先進国と新興国の株にまとめて投資できる。「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」(三菱UFJ国際投信)や「野村つみたて外国株投信」(野村アセットマネジメント)、「三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)などがある。

 図表2の③のように、先進国株と新興国株に投資する投資信託を組み合わせる方法もある。例えば、先進国株のインデックス投信には「〈購入・換金手数料なし〉ニッセイ外国株式インデックスファンド」(ニッセイアセットマネジメント)や「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」(三菱UFJ国際投信)、「たわらノーロード 先進国株式」(アセットマネジメントOne)などがある。

1本で世界の株式にまとめて投資できる投資信託もある(写真:umaruchan4678/shutterstock.com)
1本で世界の株式にまとめて投資できる投資信託もある(写真:umaruchan4678/shutterstock.com)

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