日本でもあらゆる産業でカーボンニュートラル(脱炭素)を強く意識した動きが加速しています。日経BPではこうした新しい経済潮流をテーマに、日経ビジネス、日経クロステック、日経BP総合研究所の共催で、11月25日(木)から4週にわたってオンラインセミナー「ゼロカーボノミクスを勝ち抜く経営ビジョン ~日本企業はどう取り組むべきか~」を開催いたします(視聴無料、事前登録制・先着順、記事末尾に詳細)。

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低成長にあえぎ、国際的な存在感が低下している日本が生き残るためには、限られた資源を脱炭素市場の「強み」に集中させる必要がある。日本の強みが自動車業界にあるのは間違いないが、そのトップに立つトヨタ自動車は焦りを隠さない。これからの自動車業界をトヨタがけん引せざるを得ない必然性について、日本総合研究所の井熊均フェローら4人がまとめた新刊『脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス』(11月3日発売)から、一部を抜粋して紹介する。

(写真:Shutterstock)
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「自動車業界はギリギリのところにいる」

 「日本は、火力発電が約77%、再エネと原子力が23%であります。かたや、例えばドイツですと火力が6割弱、再エネ・原子力が47%。フランスは再エネ・原子力が89%で、何と火力は11%ぐらいです」

 「ですから、ヤリスという車を東北で造るのと、フランスで造るのと、カーボンニュートラルで考えますと、フランスの方がいい車ってことになります。そうしますと、日本では車は造れないということになってしまう」

 日本自動車工業会の会見で、豊田章男会長(トヨタ自動車社長)はこう語っていた。分厚い資料をめくり、数字を列挙しながら、誰かを説得するかのように語り続けている。オンライン記者会見でありながら、画面越しに伝わってくるほどの熱気が、豊田会長から感じられた。

 「これが本当にこの国にとって良いことなのか悪いことなのか、その辺はですね、皆さまのご良識にお任せいたしますが、自動車産業はそういうギリギリのところに立たされております」

続きを読む 2/5 「私たちは、動く。」の真意

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