日本でもあらゆる産業でカーボンニュートラル(脱炭素)を強く意識した動きが加速しています。日経BPではこうした新しい経済潮流をテーマに、日経ビジネス、日経クロステック、日経BP総合研究所の共催で、11月25日(木)から4週にわたってオンラインセミナー「ゼロカーボノミクスを勝ち抜く経営ビジョン ~日本企業はどう取り組むべきか~」を開催いたします(視聴無料、事前登録制・先着順、記事末尾に詳細)。

>>11月25日開催分を申し込む
>>12月2日開催分を申し込む

世界で主導権争いが加速するカーボンニュートラルはこれまでのビジネスルールを一変させ、既存産業を崩壊させる。事業環境を壊す気候変動、企業を追い込むESG(環境・社会・企業統治)の潮流、脱炭素市場での中国の独走……。こうした動きを背景に勃興する新たな経済競争について、日本総合研究所の井熊均フェローら4人は「ゼロカーボノミクス」と名付け、21世紀の企業の盛衰を左右すると主張する。その詳細をまとめた新刊『脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス』(11月3日発売)から、一部を抜粋して紹介する。

中国は世界最大のCO2排出国(写真:AP/アフロ)
中国は世界最大のCO2排出国(写真:AP/アフロ)

 「中華の復興」。習近平・中国国家主席が特に好んで使う言葉である。

 2021年7月に開催した中国共産党創立100年記念式典という重要な場でも、演説の中で何度も何度もこの言葉を繰り返している。

 「中華民族の偉大な復興の明るい未来」

 「中華民族の復興をもたらすことを初心と使命として決めている」

 「この100年来、中国共産党が中国人民を束ね率いて行った全ての奮闘、全ての犠牲、全ての創造はひとつのテーマに帰結する。それは中華民族の偉大な復興を実現するということだ」――。

習主席の悲願 「中華の復興」とは何か

 習主席、そして中国共産党がそこまで復興させたい「中華」とは何か。日本国語大辞典(小学館)にはこうある。

ちゅう・か【中華】

(「華」は文化が進んでいるの義)世界の中央にあって最も文化の進んでいる国の意。特に、黄河流域に古代文明を築いた漢民族が周辺諸民族を東夷(とうい)・西戎(せいじゅう)・南蛮(なんばん)・北狄(ほくてき)と呼ぶのに対して、自らを世界の中央にあって最も開化している民族であると自負していった語

 紀元前221年の始皇帝の中国統一以来、確かに中国はアジアで唯一無二、世界でも稀有な先進的大国だった。そのあまりの力に、多くの周辺国は使者を送って朝貢し、統治者としての権威を中国に承認してもらう者も少なくなかった。

 漢民族以外が中国を支配したこともあるが、彼らは巨大な中国の統治のために従来の制度を踏襲。多くは同化の道を歩んでいった。始皇帝以来の「最も文化の進んだ世界の中心」は清王朝が弱体化するまで、約2000年も続いたのである。

次ページ 「再エネへの転換」で歴史を払拭