(写真=的野弘路)
(写真=的野弘路)

 ここ数年、再び流行になりつつある「ギャル」。とりわけ、2022年の上半期にはあらゆる方面で耳にするようになりました。韓国で活躍する日本人アイドルが1990年代にギャルの間で流行した「ギャルピース」と呼ばれるポーズをしたからか、TikTok(ティックトック)で「ギャル、超かわいい~」という歌詞の歌が流行したからか、ブームの震源地は様々です。ただ、今、Z世代の間でギャルのリバイバルブームが起こっていることは間違いありません。

 私の会社が運営するZ世代中心の女性向けメディア「Sucle(シュクレ)」でも、22年上半期で最も流行ったコト・モノとして「ギャル」が挙げられました。

 では、平成に流行した元祖ギャルと、令和のギャルのリバイバルブームの本質は同じなのでしょうか。私はそこに明確な違いがあると感じています。

 平成に流行した元祖ギャルは、世間においては「素行が悪い」「不良」などといったマイナスイメージが強かったのが特徴です。当時の「ギャル」という言葉から連想されるのは、明るい髪色に「ヤマンバメーク」と呼ばれた黒めのファンデーションを顔に塗り、目の周りを白く縁取る派手なメークをして、渋谷のセンター街でたむろするというのが典型的な印象ではないでしょうか。

 当時はまだSNS(交流サイト)があまり普及しておらず、オンラインのコミュニケーションはメールや電話が主流でした。そのため、ギャルと称する人たちが集まるのは渋谷や原宿など「若者の聖地」と呼ばれるオフラインでのことが多く、大人数で集まるとそれだけでインパクトが強くなっていたのでしょう。

 また世間からマイナスイメージを持たれていることに対する反骨心からなのか、派手なメークやカラフルなファッションで自分たちのアイデンティティーをアピールしていたようにも感じます。

 現在のリバイバルブームにおいても、かつてブームのけん引役だった歌手の安室奈美恵さんをまねしたような厚底シューズやルーズソックスなどのファッションが再流行しています。ですが、令和の時代で「マジでギャルだよね」というZ世代の子たちは、平成ギャルと比較すると比較的平凡な身なりをしています。なぜ、今、ギャルがZ世代に普及しているのか。その答えは価値観にあると思います。

「みんな違って、みんないい」

 平成ギャルが流行していた当時、「ギャルサー」というギャルがサークルとして集まって友情を深めていくドラマがあり、人気を博していました。派手な外見に目が行きがちですが、中身は意外にも情に厚く仲間思い。また様々なバックボーンを持ちながらも、それぞれが相手を受け入れてコミュニティーを広げていく点も高い支持を得ていました。

 細かい差異を見つけては、誰に対してもすぐに「異質」として拒絶したり否定したりする現代社会。ただ、ギャルは自分たちが世間から“変わっている”という見られ方をされているからこそ、そういった偏見を持たずに自分らしさを楽しんで生きていける。そうした彼女たちの考え方や選択、行動など価値観の部分を強く支持するのが今のZ世代で、令和のギャルブームを支えているのです。

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