フェンダーが世界的なデータ分析企業である英ユーガブ(YouGov)と共同実施した「フェンダー・ニュー・ギタープレーヤー・ランドスケープ・アナリシス(Fender's New Guitar Player Landscape Analysis)」という調査報告書によると、ギターを新たに始めた米国人は過去2年間で1600万人にも上ったそうです。

ギター初心者の58%がTikTokを視聴

 これは13~64歳までの米国人口の約7%に当たります。ギターを始めた動機として、新型コロナウイルスの影響を挙げた人が62%、ステイホームによって増えたおうち時間を練習に充てた人も77%いました。

 フェンダーのCEO(最高経営責任者)であるアンディ・ムーニー氏は2年前、「初心者の90%は1年目で練習を断念する」と話していました。せっかくギターを購入しても、すぐに挫折してしまうわけです。

 このためフェンダーはオンラインでギターが学べるアプリ・サービス「フェンダープレイ(Fender Play)」や「ビギナーズ・ハブ(Beginner's Hub)」という初心者向けサービスを開始しました。

 先の調査によると、ギター初心者の58%はスキルアップのためにTikTokを視聴し、48%が毎週オンライン・コンテンツを利用。毎日視聴している人が19%にも上ったことから、フェンダーは新たにTikTokの公式アカウントを開設しました。

 動画共有サイトが教材用コンテンツとして機能しているだけでなく、ビギナーが腕前の進ちょくを披露する場としても使われているのです。

 今では誰でも簡単にスマホで演奏シーンを撮影してSNSにアップできます。初心者の家族や友人、知人はスマホで通知を受け取ったら好きなときに好きなだけ演奏動画を視聴できます。

 ピアノの発表会のように演奏する人が“正装”をしたり、見る人もよそ行きの服を着たりする必要はありません。会場への往復といった無駄な時間もなく、気軽に友人の演奏を楽しめるわけです。

 動画をきっかけにギターなどを始める人が増え、その人が演奏した動画を別のビギナーが見るといった好循環が生まれ、楽器販売の売り上げが記録的に伸びたわけです。

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