オンタリオミルズ店はその後も営業をしていましたが、今から1年ほど前に店名をアキホームからニトリに変更(タスティン店の店名はそのまま)。ファサード(店舗の正面)には、緑地にカタカナ書きの「ニトリ」、そして「NITORI Furniture Decor&More」という文字が書かれたサインボードを掲げ、日本のニトリ店舗のイメージをほうふつとさせていました。
しかし、こうしたテコ入れをしても客数は増えず、ライバルとの競争は激しさを増すばかり。そして今回、ついに米国事業の継続は不可能という判断が下ったわけです。
家具を買うならイケアが便利
筆者はアキホームの1号店オープン時から、その動向をフォローしていますが、今になって「競争の激しさを理由に撤退を決めた」ことには首をかしげざる得ません。米国市場が世界で一番競争が激しいことは、進出する前から分かりきっていたことだからです。
正直に言いますと、筆者が最初にアキホームを視察して抱いた感想は、「ダメだ! こりゃあ」でした。
しかし13年10月23日に「ライブドア・ブログ」に書いたブログでは、(流通関係者も多い)読者の気持ちに配慮し、「挑戦している日本企業に対して厳しいことを言って申し訳ありません。似鳥昭雄さん、ごめんなさい。近いうちにまた視察したいと思います」などと、かなりオブラートに包んだ表現にしていました。

以下、当時のブログの骨子を再録すると、
「アキホームのポジショニングが不明瞭。家具やインテリア、キッチン用品を買いにこの店に来る必要はあるのだろうか?」
「西に10分程度のところには(広さ)9000坪以上の『イケア』がある。家具やインテリアを買う場合、品ぞろえが圧倒的なイケアを選ぶだろう。家具を買うなら家族で行くので、店で食事ができて、小さい子供を預かってもらえるイケアが便利。リネンやカーテンなら、コーディネートも楽しめるベッドバス&ビヨンドだろう。両社ともスタイル・ブランド力は抜群だから」
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