米国でも人気が高い米コストコ・ホールセールのフードコートでは、ホットドッグセットが1.50ドルという激安価格で売られている。1985年からずっと同じ価格だというから驚く(写真:後藤文俊)
米国でも人気が高い米コストコ・ホールセールのフードコートでは、ホットドッグセットが1.50ドルという激安価格で売られている。1985年からずっと同じ価格だというから驚く(写真:後藤文俊)

 米労働省が8月10日に発表した2022年7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で8.5%の上昇でした。原油相場の下落などを受けて伸び率が前月の9.1%上昇を下回り、3カ月ぶりに物価高のペースが減速しました。市場予想は8.7%上昇で、これも下回りましたが、インフレは引き続き高水準で推移。米連邦準備理事会(FRB)は大幅利上げを続ける構えです。

 米ムーディーズ・インベスターズ・サービスの調査によると、米国人は21年比で、1世帯1カ月当たり平均460ドル(約6万3000円)も多く生活費を支払っています。特に食費の値上がりがひどく、7月の自宅での食費(food-at-home)は前年同月比13.1%上昇となり、6月の上昇率12.2%を上回っています。

物価の優等生というか、「超よくできる子」

 筆者は普段の食事では、発芽玄米を食べています。購入するのは近所の台湾系スーパー。新型コロナウイルス感染症が拡大する以前は、6.8キログラムで10ドルでした。それが数カ月前に12ドルまで値上がりし、「まぁ、仕方がないか」と諦めていましたが、今日(8月19日)、スーパーに行ったら20ドルになっていて、びっくりです。玄米が白米くらいの値段なのですから。あまりに驚いて、日本米の値段を確認するのを忘れました。おそらく、さらに高額でしょう。

 一方で数十年間、あまり値上げをせず、一定の価格を保っていることから「物価の優等生」といわれる商品があります。日本なら卵ですが、米国にも企業努力によって40年近く価格を維持している商品があります。

 それが、メンバーシップ・ホールセール・クラブ(会員制倉庫型卸売・小売り)である米コストコ・ホールセールのフードコートで販売している1.50ドルのホットドッグセットです。物価の優等生というか、「超よくできる子」ですね。1985年から同じ価格なのですから。

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