英タブロイド紙「デイリーメール」が「日本のプリンセス・マコが、ベッド・バス&ビヨンドでタオルを購入」などと報じていましたが、私はこの記事を見て「どのブランドを購入されたのか、知りたいな」と思った記憶があります。

カラフルでおしゃれな寝具や雑貨などがきれいに陳列されていたベッド・バス&ビヨンドの店内。米国流のかわいらしさにあふれていた(写真:後藤文俊)
カラフルでおしゃれな寝具や雑貨などがきれいに陳列されていたベッド・バス&ビヨンドの店内。米国流のかわいらしさにあふれていた(写真:後藤文俊)

 ベッド・バス&ビヨンドについては21年11月22日付の「ニトリや無印良品も学ぶべき? 米高収益チェーンストアの末路」でも取り上げました。その後、同社の改革は功を奏したのか。同社の歩みを振り返りつつ、その後を見てみましょう。

 ベッド・バス&ビヨンドは、女性に大変人気があり、多くの女性が“はまって”しまうことでも有名でした。社名の通り、寝具やバスルーム用品が充実しており、しゃれた生活雑貨も充実。「いかにもアメリカン」なキッチンアイテムも壁いっぱいに陳列されていて、(米国流の)かわいらしさにあふれた商品が女性の心を虜(とりこ)にしてしまうからです。

経営は混乱したまま

 そうしたファンの支えにより、最盛期には40%以上の粗利益率を誇っていましたが、現在は(18年に経営破綻した)米小売り大手シアーズ・ホールディングスのような“悲惨な状況”に陥っています。13年12月に80ドル前後だった株価は、22年6月末には5ドルを切る水準に。経営立て直しのために打ち出した戦略がことごとく失敗し、株価の下落が止まらないのです。

 大きな理由は、競合他社がEコマース(電子商取引)への投資を進める中、ベッド・バス&ビヨンドはオンラインへの投資をほとんどせず、代わりに店舗数を拡大するという「正反対の戦略」を展開したことです。その結果、08年のリーマン・ショック後に“定番化”した「20%オフ・クーポン」のばらまきをやめられず、同社の経営がむしばまれたのです。もちろん米アマゾン・ドット・コムがリアル店舗の客を奪う「アマゾンエフェクト」の影響も大きかったでしょう。

 この間、経営は混乱したままでした。1992年に入社し、2003年にCEO(最高経営責任者)に就任したたたき上げのスティーブ・テマレス氏は、19年5月に経営不振の責任を取ってCEOを辞任。米ディスカウントストア「ターゲット」の役員だったマーク・トリットン氏が19年11月にCEOを引き継ぎ、さまざまな改革を開始します。

次ページ 目も当てられない状況に