米アルファベットの関連企業ウイング(Wing)は4月7日にテキサス州ダラス郊外の住宅地で、「米国の主要大都市圏では初めて」となるドローンによる商用宅配を正式に開始した。配達対象にはテキサスの超有名アイスクリームブランドも含まれる(写真:Wing)
米アルファベットの関連企業ウイング(Wing)は4月7日にテキサス州ダラス郊外の住宅地で、「米国の主要大都市圏では初めて」となるドローンによる商用宅配を正式に開始した。配達対象にはテキサスの超有名アイスクリームブランドも含まれる(写真:Wing)

 米中が先行し、日本でも実証実験が始まっている「ドローン宅配」。その実現に向けた課題の1つは、「ブンブン」と騒がしい羽音の問題です。

 様々な企業が騒音を低減する技術開発に取り組んでおり、ドローン開発スタートアップのフライトレックス(Flytrex、イスラエル)によると、最新の低騒音型ドローンだと66デシベル(dB)くらいに抑えられるとのこと。

全米で最も成長した都市

 70dBだと繁華街の街頭と同じくらいで、「うるさい」と感じるレベルですが、66dBなら走行中の自動車の車内やデパートの店内と同程度。「若干うるさい」というレベル。またドローンが飛行しているときに地上で聞こえる音は55dBほどで、これは家庭用エアコンの室外機や冷蔵庫と同じくらいです。

 そして、この「ドローンはうるさい」という問題を心理的に軽減することにつながる“小さな試み”を、ドローン開発ベンチャーが始めました。米グーグルの親会社であるアルファベットの関連企業、ウイング(Wing)です。

 同社は4月7日にテキサス州ダラス郊外の住宅地で、「米国の主要大都市圏では初めて」となるドローンによる商用宅配を正式に開始しました。

 対象となるのは、ダラス市内から北に約30マイル(約50キロメートル)の距離にあるフリスコ市と、リトルエルム地区。現時点でサービスに参加しているのは、ドラッグストア最大手ウォルグリーン(Walgreens)とアイスクリーム販売のブルー・ベル・クリマリーズ(Blue Bell Creameries)の2社です。

ドローン宅配に使用するウイングのドローン(写真:Wing)
ドローン宅配に使用するウイングのドローン(写真:Wing)

 ウォルグリーンはリトルエルム地区、ブルー・ベルはフリスコ市のみが配達対象と“小さく始めた”サービスですが、近いうちには、新型コロナウイルス抗原検査キットなどを提供する非営利医療機関「テキサス・ヘルス・リソース(Texas Health Resources)」と、獣医サービスの「イージーベット(Easyvet)」も参加予定です。

 さて、ドローン宅配の対象となったフリスコ市はダラス・フォートワース都市圏で働く専門職層のベッドタウンとなった都市で、人口は約20万人。米国勢調査局の「調査」では、2010年から19年の間に「全米で最も“急成長”した地域」とされています。

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