そもそもチェックインとチェックアウトのゲートには、JWO(という、分かりにくいシステム)の説明をしたり、ヘルプをしたりするスタッフが常駐。やんちゃな若者が、認証ゲートを飛び越えて、商品を持ち去る……といったことはできないようになっています。

 さて、この実験では30ドル弱が課金されなかったので、筆者は念の為、詳細な経緯をアマゾン側に伝えました。しかし担当者は、「極めてまれ(extremely rare)」なケースと言うだけで、最後までシステムに不備やエラーがあるとは認めませんでした。また、返品も求められませんでした。

 “集計ミス”があった場合、アプリからできるのは、品目ごとのキャンセルだけです。実際より多く課金された(お客が損をした)場合は、その品目を丸ごとキャンセルします。少なく課金された(お客が得をした)場合は、そのままということになります。課金が少なかったからといって、代金を追加で支払うような仕組みはありません。

JWOは破壊的イノベーションか

 さて、この辺で“種明かし”をしましょう。

 実はこの店舗で買い物をしている間に、「トイレに入って、それまで着ていたジャケットを脱ぎ、色の違うシャツ姿になった」のです。つまり入店時と退店時とで、着ていた服装が違ったため、JWOは個人を特定できず、きちんと課金ができなかったのです。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り885文字 / 全文4479文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「後藤文俊のシン・店舗 in USA」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。