なお、JWOを導入しているアマゾン・フレッシュのハイブリッド型店舗には(他のアマゾン・フレッシュには存在している)アマゾン版スマートカートである「アマゾン・ダッシュカート(Amazon Dash Cart)」のサービスはありません。

 アマゾン・フレッシュを導入している全23店舗の中で、JWOを導入しているのは(2021年12月にロサンゼルス郊外ラ・ハブラ地区にオープンした店舗を含めて)7店舗です(2月16日時点)。

課金はわずか3ドルちょっと

 また、フルサービス・チェックアウトを併せ持つハイブリッド型アマゾン・フレッシュは、ロサンゼルス郊外にあるセリトス店など5店舗。

 有人レジのないJWOのみの小型アマゾン・フレッシュは、ワシントンDCのローガンサークル店と、(店舗名を「アマゾン・ゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」からアマゾン・フレッシュに変更した)シアトル店の、2店舗のみとなっています。

「アマゾン・フレッシュ」セリトス店の外観
「アマゾン・フレッシュ」セリトス店の外観

 さて、やや古い話で恐縮ですが、日本のバラエティー番組『水曜日のダウンタウン』で6年前に、「悪いマジシャンに本気出されたら、万引きGメンでも見抜けない説」という企画が放送されました。プロのマジシャンが番組の企画で“万引き”(のように、こっそり商品を取って、隠すこと)を試みて、それを万引きGメンが見破る、という対決企画です。

 マジシャンが精巧な義手を使ったり、ジャケットやコートの内側から手を伸ばすなどのテクニックを披露したりして、最終的にはマジシャンが勝利(万引きが成功)したのです。

 この番組に感化されたわけではありませんが、筆者はハイブリッド型アマゾン・フレッシュで、「悪いコンサルタントに本気出されたら、アマゾンのAIも見抜けない説」とでも言うべき実験を、何度かしてみました。

 人はAIをだませるのか、実際に試したのです。もちろん実験の目的は、コンピュータービジョンやAIが、どれだけ防犯に役立つのかを検証することです。

 結果を先に申し上げると、セリトスにあるハイブリッド店舗で購入した(持ち出した)商品は27点でしたが、店を出てから確認すると、たった1点、乾電池の分しかチャージされていませんでした。

 合計30ドル以上の買い物をしたのに、課金はわずか3ドルちょっとだったのです。

 もちろん、入店時のチェックインも退店時のチェックアウトもきちんと実施し、“普通に”買い物をしています。

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