米UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)近くの食品スーパー内にオープンした「陣屋らーめん(bushi by JINYA)」の豚骨しょうゆラーメン。オーダー時に選べるトッピングの種類がとても多いことに加え、最低でも14ドルからという価格にも驚いた(写真:後藤文俊)
米UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)近くの食品スーパー内にオープンした「陣屋らーめん(bushi by JINYA)」の豚骨しょうゆラーメン。オーダー時に選べるトッピングの種類がとても多いことに加え、最低でも14ドルからという価格にも驚いた(写真:後藤文俊)

 「今日は、ちょっとぜいたくなラーメンを食べたいな」なんて思うこと、ありませんか?

 「仕事を頑張った自分へのご褒美だ」などと理由をつけて、注文の際に麺を大盛りにしてしまったり、チャーシューや味玉などのトッピングを追加したり……。すると米国では、あっという間にラーメン一杯の価格が2000円を超えてしまうことも珍しくありません。

クレームが減り、調理に集中できる

 ラーメンという食べ物に関する歴史がほぼなく、「ラーメンは大衆の食べ物」という概念もない米国では、ラーメンが高級料理の1つとして再定義されようとしています。

 実際、米国のラーメン店では一番シンプルなメニューでも1000円以上。ニューヨークなど一部の大都市では、2000円以上が当たり前です。米国はラーメンの値段に“相場”がないこともあり、各店が「もっと客単価を上げよう」と様々な工夫をしているからです。

 昔は庶民的な食べ物でしたが、今ではかなり高級化している「サンドイッチやピザなどの延長線上にラーメンがある」と米国人が考えているから、できる“芸当”なんですね。

 日本でも高価格のラーメン店はあるようですが、米国ではメニューに工夫を凝らし、さらにデジタルトランスフォーメーション(DX)を組み合わせることで、あっという間に客単価が最低でも2000円以上という、高級料理の仲間入りをしています。

 もちろんDXに熱心なのはラーメン店に限りません。

 では、客単価の向上を狙う米国の飲食業界で、どんなDXが流行しているかというと、代表的なのはアプリを介して商品を事前注文・事前決済するモバイルオーダーでしょう。

 モバイルオーダーを導入すれば、レジ待ちの行列を減らしたり、注文の聞き取りミスや勘違いといったヒューマンエラーを回避できたりする効果が期待できます。スタッフは調理に集中でき、店内オペレーションの合理化も期待できます。その結果、顧客からのクレームが減り、顧客ロイヤルティー(忠誠心)を高めることにもつながります。

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