「会社側の取り分はどれくらいありますか?」
余計な契約を結ばないためには、販売員との接点を持たないようにするのが賢明です。やり方は簡単です。「会社側の取り分はどれくらいありますか?」と尋ねるだけです。
保険の種類などは関係ありません。医療保険やがん保険であっても、貯蓄・運用目的の保険であっても、たった1つの質問をするだけでいいのです。情報が開示されていないので、返答できるとしたら、商品設計の専門家くらいでしょう。販売員は誰も答えられないので、商談は進まなくなってしまうのです。
同じ金融商品でも投資信託では、販売手数料や運用にかかる費用などが開示されている事実を知ると、保険の現状は不可解かつ不親切だと感じます。
そこで、一般の人たちから販売員に「会社側の取り分」を尋ねてほしいのです。仮に「販売手数料など『自分の取り分』は分かる。でも保険会社の経費や利益になる部分についてはまったく分からない」と答える人がいても「お金の使い道が不透明なのは納得できないのでやめておきます」と言えます。
貯蓄目的の保険の場合、契約初年度に営業担当者や代理店に支払われる手数料が分かるだけでも構いません。例えば、月払い契約の外貨建て保険や変額保険では、初年度の代理店手数料率は30~70%くらいのことが多いので、具体的な数字が分かれば、他の情報は不要です。
仮に初年度の代理店手数料率が50%であれば「25年でならしても毎年2%の手数料が引かれる計算だ。お金が増えにくいに決まっている」と言えるからです。
もちろん、確率の問題で、保険から給付金を受け取るような事態は、人を選ばず、きょう・あすにでも起こります。そのため「情報開示を待っている場合か? 保険料は安心料だろう」と感じる人もいるかもしれません。だからこそ、会社側の取り分が不明な場合、手を出さないことにするのです。「安心のために」とあらゆるリスクに備えると、お金がいくらあっても足りないからです。
ひょっとしたら「的外れな質問だ。保険料は給付金を支払う確率や運用利回りなどの『見込み』から設定されているので、最終的に会社側の取り分がどれくらいになるのか、分かるほうがおかしい」といった返答もあるかもしれません。
その場合「では、見込みを知りたい」と言いましょう。複数の商品設計の専門家によると、金融庁から商品の認可を受ける際、「保険会社にとって、十分、余裕がある保険料設定になっているのか」確認されるそうですから、情報を共有させてもらうのです。

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