結論は「長く働く」

 自身の年金受給見込み額を確認した結果、筆者が出した結論は「長く働く」です。理由は3つあります。

①年金受給額は減るかもしれない
②運用の成果は不確実
③まだ働ける

 まず、年金受給額は表の金額より減るとみています。年金制度の歴史を調べると、主に長寿化が制度変更を促しているからです。

 また、保険料負担には2004年に上限が設けられています。高齢者の増加や物価上昇に合わせて年金を増額すると、国民(特に現役世代)の負担が上がるからです。保険料に上限がある以上、長寿化が進むと年金給付額はそれなりに減るでしょう。

 次に、自己資金に関しては「運用は当てにならない」と考えています。長期的に株式中心の運用を行うとお金が増えやすいと認識しているものの、過去の歴史が将来を約束するわけではないからです。
 したがって、運用に投じるお金は、家計に決定的な影響を与えない程度にするほうがいいと思っています。

 筆者の場合、「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」の積立金が「運用しているお金」の大部分を占めています。
 世界中の株式に分散投資できる投資信託を利用しているため、2020年の残高はコロナ禍の影響で600万~900万円くらいの幅で変動しましたが、今は1000万円程度で推移しています。
 仮に半分に減っても、公的年金の受給額に比べると影響は知れています。したがって、70歳くらいまで株式中心の運用を続ける予定です。

 この先、年金受給額が減る可能性、運用の不確実性を考えると「先行きは暗い」と感じる人もいるかもしれません。ただ、老後には「使わなくなるお金」もあると思います。
 例えば、筆者の場合、近年、酒量が減り遊興費や交際費が激減しています。物欲にしても若い頃のような熱さはありません。持ち家で借入金はなく、76歳以降は、現時点での試算で月額10万円程度とはいえ、妻の年金も給付される見込みで、月収25万円くらいになります。

 そこで、自分の貯蓄などは、自宅のリフォーム代や医療・介護用の資金として確保しておくつもりです。大まかに言って、年金の減額などを想定すると、夫婦が月20万円くらいで暮らしていくイメージです。
 その際、今の高齢者より多額の税金や社会保険料を払うことになるとしても、悲観はしていません。「まだ働ける」と感じているからです。

 例えば、あと10年働いて、毎月2万円積み立てると、運用益ゼロでも240万円になります。また、60歳で「iDeCo」の積み立てが終わったあと「つみたてNISA」と「小規模企業共済」にも一定額を積んでいます。
 これから貯(た)められそうなお金と現時点の金融資産とを合算し、少なめに1500万円とみても、70歳から毎月5万円取り崩して25年持つ計算です。仕事をやめても、図書館に通えたら退屈しないでしょうし、それなりに暮らせると思うのです。

なるべく長く働くことで、老後不安は軽減される(Ivan Kruk/shutterstock.com)
なるべく長く働くことで、老後不安は軽減される(Ivan Kruk/shutterstock.com)

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