働けなくなったときに備える

3 就業不能保険

 長期間、病気や怪我(けが)で働けなくなったとき、収入を補填する「就業不能保険」は、検討に値すると思います。ただし、会社員や公務員の場合、健康保険でほぼ足りると考えられそうです。大まかに言うと、欠勤4日目から最長1年6カ月、標準報酬日額の3分の2が給付される「傷病手当金」があるからです。

 全国健康保険協会の「現金給付受給者状況調査(2020年度)」を見ると、保険加入者総数に占める傷病手当金受給者の割合は、例年1%程度です。また、支給期間を見ると60日以下が36%、63%が180日以下となっています。

 一方、民間の「就業不能保険」では、給付対象にならない期間が60日や180日に設定されています。また、健康保険と違って、持病がある人などは加入しにくいので、単年度の給付率は1%を大きく下回るはずです。

 保険数理の専門家によると、死亡保険金の単年度の給付率が0.3%程度とのことですが、就業不能保険の給付率もそれに近いのではないかと推察します。したがって、会社員の休業補償は傷病手当金が一番でしょう。

 「傷病手当金」がない「国民健康保険」の加入者の場合、就業不能保険の必要性は増すかもしれません。とはいえ、自営業者である筆者は、傷病手当金の支給期間の分布から「1年くらい暮らしていけるお金を蓄えておくほうが良い」と判断しています。
 361日以上給付を受けている人の割合は0.17%未満で、死亡保険金の給付率の半分くらいと見られるからです。

 それでも加入を検討する場合、個人向け商品では、保障内容と保険料のバランスから、アクサダイレクト生命「働けないときの安心」が良いと思います。

 また、勤務先に「団体保険(長期所得補償保険)」がある会社員は、そちらを優先するといいでしょう。

本当の「最強の保険」は、ランキングに登場することはない(Gearstd/shutterstock.com)
本当の「最強の保険」は、ランキングに登場することはない(Gearstd/shutterstock.com)

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