自由で開かれた国々は自信を持つべきだ

 アメリカをはじめとする自由で開かれた国々は自信を持つべきである。中国と効果的に競争し、中国共産党の侵略に対抗し、内部に変化を促すチャンスはある。中国の振る舞いは、世界の真ん中に位置する国に従属することを望まない国々の間で反発の機運を急速に高めている。

 中国の内部でも、改革期に自由化の見通しを感じ取っていた人々の間では上からの統制の強化に反発が生まれている。李克強や他の幹部は対外的に自信を見せるが、実は社会と経済の根本的な問題の解決に失敗したのだと気づく知識人、ビジネスマン、政策立案者が増えている。多くの人々が、あたかも不安定な火薬樽(だる)に腰かけているように感じている。そのような現実を2019年から2020年にかけて香港で起きた抗議運動は際立たせた。

 経済成長の鈍化も、新型コロナウイルスへの対応に表れた政府の不手際と誠意のなさへの大衆の怒りも、同じように実態を浮き彫りにしている。「中国製造2025」などの計画の下、技術の開発と実用化が進む時代を迎えているものの、自給自足型の経済大国を作り上げるという中国共産党の大胆な試みが成功するかどうかは分からない。また、党は統制に執着するが、これはグローバルな市場でイノベーションを起こし、競争していくための基盤となる学問の自由や起業の自由とは相容(い)れない。

 党が1979年から2015年まで施行した一人っ子政策の下での社会設計の試みは、巨大な男女の人口格差を伴いながら急速に進む高齢化をもたらした。この人口動態の歪(ひず)みが今後どのような影響を及ぼすのかは不透明だが、極めてネガティブなものであることは確かだ。

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