関与から競争へ――。従来の対中国戦略を劇的に転換したアメリカ。トランプ政権の国家安全保障担当大統領補佐官を務め、バイデン政権にも継承された歴史的な政策転換を主導したH・R・マクマスター氏は「米中対立は数十年続く」「2022年以降が台湾にとって最大の危機を迎える時期になる」と警鐘を鳴らす。
日本にはどのような対応が求められるのか。中国にどう向き合うべきなのか。同氏の著作『戦場としての世界』から一部抜粋して紹介する。(写真:Naresh777/Shutterstock.com)
※本記事の内容は本書からの抜粋で著者個人の見解。タイトルは編集部によるもの。
シリーズ
攻勢を強める中国、日本に迫られる決意と覚悟

全3回
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河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学
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