そして、デジタル化からDXにすぐに移行できるわけじゃなくて、真ん中にデジタライゼーションがある。これはデータとデータを共有化する、つまりクラウドに上げてみんなが見られる環境をつくるというもの。それらのデータとデータを掛け合わせて新たなビジネスが生まれて、ようやくDXになる。

 「日本はDXが遅れています」と言っている人たちが、この順番をそもそも理解していません。「IT化には我が社も取り組んでいますよ」とよく言われるのですが、予算の8割近くが働き方改革やコスト削減など現行のビジネスを維持するために使われている。新しいビジネスをつくるためのIT予算は2割くらいしかありません。

初手の遅れが10~20年も響く

 では米国企業はどうかというと、ユーザーを分析して次のビジネスにつなげるなど攻めにしか使っていない。ITの用途が全く違うんですね。日本企業のマインドを変えない限りは、米国企業に絶対追い付けないと思います。

 今、世界では(ロボットや人工知能などを活用した)第4次産業革命が始まっています。これに対して日本が今言っているデジタル化は第3次産業革命にとどまっている。第4次産業革命はスピード感があるので、初手を1年ちゅうちょすると、今後10年、20年に響いてきます。思い付いたらすぐやるぐらいで、ちょうど(世界の)みんなと同じバランス。日本は今までの初手の遅れが響いてしまっていますから、よほどのことがない限り追い付けないでしょうね。ここは強調しておきたいと思います。

企業や自治体のデジタル化への取り組みが遅れている一方、高齢者を中心に、利用者側がデジタルツールを使いこなせない「デジタルデバイド」の問題もあります。

宮川氏:「高齢者を放っておいてもいずれ世代交代する。デジタルを使える人たちの時代が来るまで、待っていたらいい」という意見がありますが、全く見当違いだと思います。70歳以上でスマートフォンを持っている人は28%しかいません。100歳まで生きる時代が来ているのに、(現在70代の)団塊の世代が100歳になるまで、20~30年放っておこうということですか。そんなことをしたらもう日本そのものが「ゲームオーバー」ですよ。

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