内田氏:私が2022年の肝だと考えるのは、まず(1)のパーパスです。実際これだけ時代が変化すると、我々は何の会社なのか、自社の存在意義を再確認することが大切になります。自動車メーカーであれば、車をつくりたいのか、モビリティーを提供する会社になりたいのか、しっかり定めることが全体の戦略策定にも関わります。

 優秀な人材を集めるためにも、兼業やリモートで働く人もいるなかで、どういう旗の下で働くのか、パーパスを明確にすることが求められます。例えばトップの交代などはパーパス再確認のチャンスですが、先代の批判になるケースがありますので留意が必要です。

 (3)に挙げたカーボンニュートラルについても本腰を入れて検討しなければなりません。これまではコロナで対応が難しい面もありましたが、来年くらいから金融機関や機関投資家が企業にかなり厳しい要求を突き付けるようになるでしょう。大企業が取り組みをはじめるとバリューチェーン全体、例えば系列会社や部品などの調達先企業も対応が必要になります。私たちとクライアントとの間では、カーボンニュートラルやサステナビリティーをパーパスのなかに組み入れるほどの覚悟を決めなければ今後10年20年生き残っていけないのではないかという議論も出ています。

 (B)に挙げたDXの重要性については、マネジメントにも浸透しつつありますが、着手した結果難しさを感じはじめたところではないでしょうか。うまくいっているのは1~2割という印象で、どうやればうまくいくのかを再点検する時期だと思います。デジタルを採用するときは、今までのやり方をすべて変えなければなりません。

 デジタルは既存の業務の外側に追加できるようなものではなく、事業に組み込むためには、人事慣行、制度設計、投資方針にいたるまで、幅広い変革が必要です。人事ローテーションが年1回では少なすぎますし、今や範囲が広くてROI(投下資本利益率)をプロジェクトごとでは測れなくなっています。CDO(最高デジタル責任者)のポストを作って任せても、1人の力ではできません。全経営陣がデジタル担当というくらいの決意が必要です。

 最も重要なのは、単に既存の業務をデジタル化で置き換えるのでなく、事業全体を見直すことです。業務をやめる、無くすということも非常に重要になります。