政治が旗を振り、支援制度が整ってきても、いまだ道半ばの女性活躍の推進。工業製品や事務用品を手掛ける米スリーエム(3M)の日本法人、スリーエムジャパン(東京・品川)の宮崎裕子社長は、働き手自身の意識が制度の拡充に追いついていないと指摘する。働く女性に呼びかけるのは、遠慮や思い込みを捨てて上司に思いをぶつける「自己開示」。そうして女性が活躍することがイノベーションを生むと説く。
スリーエムジャパンの社長に2021年に就任しました。法曹界の出身ですが、自身のキャリアをどのように選んできましたか。
宮崎裕子スリーエムジャパン社長(以下、宮崎氏):高校時代はボート部の活動に打ち込んでいて、全国大会のために毎日練習する日々。大学進学は推薦入試で決まりました。法学部を選んだのも全くの偶然で、隣の子に「六法全書が似合っているんじゃない?」と。それに、大学へ進学するからには法曹の資格をとることが一番リターンは大きいのではないかと考えていました。
ただ、就職活動は苦労しました。バブルが崩壊した後だったため、法律事務所も採用人数を絞り、不動産関係の仕事が多い事務所は採用をストップしていました。そして感じたのが、男女の違いです。司法試験に合格し司法研修所までは男女の可能性は同等だと信じていましたが、周りの男性ばかりが明らかに採用されていくのです。

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