新型コロナウイルス第6波に伴う「まん延防止等重点措置」が3月21日に全面解除された。コロナ禍の収束は見えず、外食業界は五里霧中だ。市場環境が目まぐるしく変わる中、中古厨房機器販売のテンポスバスターズやステーキのあさくまなどを手掛けるテンポスホールディングスの森下篤史社長は「最後に勝つのは失敗し続けられる企業」と語る。

森下篤史(もりした・あつし)氏
森下篤史(もりした・あつし)氏
1947年静岡県生まれ。71年静岡大学卒業、東京電気(現・東芝テック)入社。83年、東京都大田区で食器洗浄機メーカー・共同精工(現:キョウドウ)を設立し社長に就任。その他、英会話学校や回転ずし店の経営などを経て、97年に中古厨房機器販売の「テンポスバスターズ」を設立。2002年12月、ジャスダック市場に株式上場。17年にホールディングス化し、現在はステーキチェーン「あさくま」などグループ18社を抱える。

まん延防止等重点措置が3月21日に全面解除されました。今後の外食業界の動きについて、どう見ていますか。

森下篤史氏(以下、森下氏):2021年9月末に緊急事態宣言が解除され、22年1月からはまたもや各地で、まん延防止等重点措置が適用されました。この間のテンポスバスターズの状況を見ると、21年11~12月の売り上げは前年同期比で3割弱の増加で推移していました。22年1月は同17%増、2月は6%増でしたが、3月は22日までで6%減となっています。

 ただ、4月は25%ほど前年同月対比でプラスに転じるとみています。消費者が外食を我慢していた分だけ反動が来るのではないでしょうか。

ここ2年間、外食業界がコロナ禍に振り回されて続けています。

森下氏:居酒屋などはコロナ前に比べて6~8割減で打つ手がない。そんな中でゴーストレストラン(飲食スペースを持たない宅配サービス向けの調理拠点)、キッチンカー、唐揚げ業態などがブームになっています。居酒屋大手も色々とチャレンジをしていますが、ヒットに恵まれない会社もありますよね。新規事業を立て続けに打ち出しているけど本業には寄与していない。

 厨房機器を売る側の人間なので分かるのですが、唐揚げなんてマスコミが持ち上げるほどもうかりません。ゴーストレストランだって同じことです。お客さんがいない自分のお店を使えばいいのに、なぜわざわざ別の場所を借りて調理拠点にしようとするのか。フードデリバリーなんて約3割を手数料として取られるわけですし、キッチンカーだって車の購入やリースに資金が必要です。

確かに新たな話題には事欠きませんが、それが本業の稼ぎを補うに至ったというケースはあまり聞きません。

森下氏:でも、それでいいのですよ。

え、なぜですか。

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