AI(人工知能)やデジタル技術の進展で社会が変容するなか、型破りな思考力や創造性を発揮する人材をどう育てるかは大きな課題だ。従来の詰め込み型や同質的な学習カリキュラムではなく、常識にとらわれない柔軟な教育が求められている。学校法人「きのくに子どもの村学園」では、教科書ではなく自ら課題を見つけ解決する体験型学習に軸足を置くほか、子どもたちの自己決定と個性にどこまでも寄り添う。学園長の堀真一郎氏に日本が目指すべき教育を聞いた。
全国5県で展開する子どもの村小学校・中学校とはどういった学校ですか。
堀真一郎きのくに子どもの村学園長(以下、堀氏):自由学校として文部科学省から初めて認可を得た学校法人で、児童・生徒は計700人ほどいます。基礎学習の時間もありますが、教科書中心ではなく、児童・生徒が主体になってモノを作ったり調べたりする「プロジェクト」という体験型学習が時間割の半分を占めるユニークなカリキュラムを敷いています。
例えば竪穴式住居をつくったり、間伐作業をしたり、地鶏や豚の飼育をしたりとプロジェクトは多岐に及びますが、体験のなかで算数や理科、社会を学んでいきます。子どもたちは自由にプロジェクトを選ぶことができ、学んだことを発表し合います。
週に1回は子どもたちだけで「ミーティング」を開き、校内の問題を議論したり、やってみたいことを話し合ったりします。子どもたちに自己決定の権限を与えれば、最初はうまくいかなくても創意工夫して自然と考えるようになります。


日本の教育の現状をどう見ていますか。
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