バブル経済が崩壊した後の1993~2005年に社会に出た「就職氷河期世代」が今もなお経済格差に苦しんでいる。人は生まれる時期を選べない。にもかかわらず、一度失敗してしまうと、浮上のきっかけをつかめない。「再チャレンジできる社会を」。京都女子大学の橘木俊詔客員教授はこう訴える。

<span class="fontBold">橘木俊詔(たちばなき・としあき)氏</span><br>京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授<br>小樽商科大学卒、大阪大学大学院、ジョンズ・ホプキンス大学大学院修了。仏、米、英、独で研究職や教育職を歴任。京都大学や同志社大学などで教授を務める。元日本経済学会会長。1943年兵庫県生まれ。
橘木俊詔(たちばなき・としあき)氏
京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授
小樽商科大学卒、大阪大学大学院、ジョンズ・ホプキンス大学大学院修了。仏、米、英、独で研究職や教育職を歴任。京都大学や同志社大学などで教授を務める。元日本経済学会会長。1943年兵庫県生まれ。

成長と分配はトレードオフ

岸田文雄首相は「成長と分配の好循環」による新たな資本主義の構築を掲げています。経済が成長すれば、いずれは富が再分配されて貧困問題も解決に向かうのでしょうか。

橘木俊詔・京都女子大学客員教授(以下、橘木氏):経済学では分配が先か、成長が先かは大きな問題です。岸田首相は成長と分配の好循環を目指していますが、成長を高くするには分配が犠牲になる。一方で、分配を重視すれば成長が犠牲になる。これらはトレードオフ(相反)の関係にあり、どちらを優先すべきかよく議論しなければなりません。

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