「このまま小学校に入学して大丈夫か?」

では、ADHDの診断を付けて治療に入るという判断を下すのは、どういうタイミングなのでしょうか?

高橋氏:ADHDについて一つの目安は、「このまま小学校に入学して、学校生活が送れるかどうか」です。

小学校での生活の見通しが立つかどうかが、基準になるんですね。

高橋氏:はい。4歳あたりで、このままでは小学校での生活が難しいと判断すればADHD の診断を付けて、お子さんが日常生活の中で上手に困難さを克服していけるように介入を行うこともあります。その後の経過によっては薬を飲んでいただくこともあります。

だいたい何歳ぐらいから、薬を飲むことができるんですか?

高橋氏: 6歳過ぎ、つまりもうじき小学校のタイミングで薬物治療を追加することもできます。

結構早いうちから飲めるんですね。

高橋氏:そうですね。でも、簡単には処方しませんし、そもそもできないんです。ADHDに処方される薬は法律で厳しく管理されていて、医師にも薬剤師にも特別なライセンスが必要なんです。病院も薬局も、それに患者さん自身も登録する必要があります。決して簡単に処方できるようなものではないんです。

普通に買うことはできないし、簡単に処方されるものではないと。そんなに規制が厳しい薬だと知るとなおさら、親としては迷いますよね。

高橋氏:医師だって迷います。ADHDならどの子にも処方するというわけではなく、このまま放っておいたら、子ども自身が自分に自信を持てなくなる。あるいは、いじめの対象になる。学級崩壊の原因になったり、先生に邪魔者扱いされたりしてしまう。そう判断したときにはじめて薬物治療を考えます。ですから、処方する前によくよく相談をするんです。

 また、薬がなぜ効くのかを説明し、小冊子もお渡しし、よく考えていただく期間(熟慮期間)も用意して、それでも投薬のメリットがあると医師も親も納得したときにだけ薬が処方されます。

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