「発達障害のリアル」を模索する本連載。「発達性読み書き障害」について取り上げるシリーズは、今回が最終回。筑波大学元教授で、NPO法人LD・Dyslexiaセンター理事長の宇野彰氏に引き続き、話を聞く。

 知能に問題がないとしても、読み書きに著しい困難を覚える発達性読み書き障害は、日本人の7~8%が該当するという。この連載を取材、執筆する私(黒坂真由子)の息子にもこの障害がある。最後に、発達性読み書き障害の子どもたちが幸せな人生を歩むには、どのように進路を選べばいいのかを尋ねた。

 発達性読み書き障害について、これまでに宇野先生からうかがったお話は、下記となります。

(1)読み書きが苦手な「発達障害」はクラスに3人 知能と違う課題
(2)「読み書き」が苦手な発達障害 問題は「聞く脳」にあるかも?
(3)発達障害と読み書き なぜ「小学1年生の夏」が大事なのか?
(4)読み書きが苦手な発達障害 子どもたちが問う「板書を写す意味」

子どもが発達性読み書き障害だとわかったら、親や先生はどんなところに気をつければいいのでしょうか。

宇野彰氏(以下、宇野):まずはその子を受け入れるということが大事です。一生懸命努力しているのに、「努力しないやつだ」という扱いを親や先生からずっと受けていると、極端なケースでは反社会的な組織に入ることもあります。つまり、自分を受け入れてくれるところに行くわけです。

宇野彰(うの あきら)
筑波大学元教授、発達性ディスレクシア研究会理事長、NPO法人LD・Dyslexiaセンター理事長。医学博士。言語聴覚士。 読み書きが困難な子どもたちの指導をするかたわら、指導ができる先生を増やすために尽力。「改訂版 標準読み書きスクリーニング検査 ー STRAW-R」を開発。著書に『標準読み書きスクリーニング検査―正確性と流暢性の評価』(共著、インテルナ出版)『ことばとこころの発達と障害』(永井書店)、『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら』(ポプラ社)などがある。(写真:的野弘路)

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