「発達障害のリアル」を、自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。
発達障害があるわが子が、将来、自分でお金を稼いで自活できるのか? 就労に向けて、備えられることはないか? そんな問題意識からインタビューしたのは、発達障害がある人に特化した就労支援事業を手掛けるKaien(かいえん/東京・新宿)代表の鈴木慶太さん(前回は、こちら)。鈴木さんもまた、長男が発達障害の診断を受けていて、それが起業のきっかけとなった。
今回は、採用する企業側へのメッセージ。発達障害者の数は多く、すでに一緒に働いている同僚や部下、上司のなかにも必ずいるはず。発達障害者には異能も多い。活躍してもらうには、どうしたらいいかを考えた。
今回は、発達障害がある人を採用する企業側に向けたお話をうかがいたいと思います。なんといっても日経ビジネス電子版は、経営者やマネジメント層、そして企業の採用担当者の方にも広く読まれているからです。
まず、企業が発達障害者を雇用することのメリットとデメリットを挙げていただけますか?
鈴木慶太氏(以下、鈴木):企業の方々に、まずお伝えしたいのは「御社はすでに発達障害者を採用していますよ」ということです。

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