工程を分けて、可視化する

仕事をしていくうえで、気を付けていることはありますか?

沖田:ADHDが入っていると、たくさんの仕事をこなすのが難しいんですよね。一般の人がうまくいく方法では、うまくいかない。メモを取っても、なくしてしまいますから。

 私は、スケジュール表をつくって、壁に張っておくのがいいと思っています。その日の仕事を午前と午後に分けて書き出して、それぞれの仕事の工程も書いておく。例えば、午前の仕事に5つの工程があるなら5つ書き出して、終わったら1つずつ、ペケを付けていく。「これで1つの作業が終わりました」と。そんな感じで、たくさんある仕事を可視化して、「これは確かに終わった!」ということを自分に分からせるのが、一番、効率がいいんじゃないかと思います。

それを周りの人にも見えるようにしておく、ということですね。これは終わった、今はこれをやっている、次はこれをやるということを、周囲と共有する。

沖田:ただ、仕事が終わった瞬間にチェックを入れるクセを、本人がつけないといけません。そうじゃないと、やったことを忘れてしまいますから。あとスマホは持たせないことですね。スマホがあるとずっと見ちゃって切り替えができなくなります。

今は、アシスタントさんもいて、仕事を依頼する側でもありますよね。指示を出す側になって感じる困難があれば、教えてください。

沖田:アシスタントさんを雇ったときから、すごく苦しんできたんですけど、時給の計算ができないんです。例えば「時給1000円で6時間」だったら6000円って分かるんですけど、今、時給が1400円とかなんですね。そうすると「1400円×6」の答えは、なかなか出ないし、12時から18時までというときに、12から数えて7時間にしちゃうんです。

1時間多いですね。

沖田:それで、「ちょっと多いような気がするけど何でだろう?」と思いながら渡して、「間違ってますよ」と言われたら、「あ、ごめん。うっかりしてた」と答えていました。あとは、「今日は、おまけね」みたいな感じで太っ腹なふりをしたり。

沖田さんの漫画『こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく』(ぶんか社)より
沖田さんの漫画『こんなに毎日やらかしてます。トリプル発達障害漫画家がゆく』(ぶんか社)より
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