「発達障害のリアル」を、自身も発達障害(学習障害)の息子を育てるフリーランス編集者・ライターの私(黒坂真由子)が模索する本連載。

 前回まで3回、お届けしてきた、漫画家の沖田×華(おきたばっか)さんへのインタビューは、今回が最終回。「学習障害」(LD*1)、「注意欠如・多動症」(ADHD*2)、「アスペルガー症候群」(*3)という3つの診断を受けている当事者の視点から、発達障害とともに生きるとはどういうことかを教わってきた。

(前回はこちら

 今回は、仕事をするようになって工夫してきたことや学んだこと、一緒に働く人たちへの要望など。暗黙のルールの言語化や仕事の可視化など、仕事のコツとして普遍的なところも多くある。

*1.限局性学習症/限局性学習障害(学習障害)、LD(Specific Learning Disorder)
*2.注意欠如・多動症、ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
*3.アスペルガー症候群(Asperger syndrome)知的障害や言語発達の遅れが少ない自閉性障害の一つ。現在は自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorders)の障害群に含まれた概念となっている。

沖田さんは、組織の中で働いた経験と、フリーランスとして一人で働いた経験、両方をお持ちです。看護師のときには組織の中で、現在は漫画家として一人で活動されています。比較するとどうですか?

沖田×華氏(以下、沖田):一人のほうがいいですね。発達障害を持つ人には、対人コミュニケーションが苦手な人も多いと思います。コロナのせいでリモートワークになったら、発達障害の人が本領を発揮した、という話をよく聞きます。仕事の成績がものすごく上がったとかね。人と関わることなく、仕事に集中できるからでしょうね。

同じ能力があっても、それを発揮できるかどうかは環境によって違うんですね。

沖田:私たちって、とにかく雑談ができないんですよ。毎日上司と顔を合わせて雑談をする意味が分からない。

<span class="fontBold">沖田×華(おきた ばっか)</span><br />1979年、富山県生まれ。小中学生のころに、学習障害(LD*1)、注意欠如・多動症(ADHD*2)、アスペルガー症候群(*3)と診断される。高校の衛生看護科を卒業後、看護学校に進み、正看護師として勤務。名古屋で風俗嬢として働いた後上京し、『漫画アクション』(双葉社)の新人賞に応募、選外奨励賞を獲得し2005年デビュー。『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』(ぶんか社)など著書多数。『透明なゆりかご ー 産婦人科医院 看護師見習い日記』(講談社)にて、2018年「第42回講談社漫画賞(少女部門)」受賞。本作はNHKでドラマ化され、「第73回文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門」にて大賞を受賞。ペンネームの由来は「起きたばっかり」(写真:栗原克己)
沖田×華(おきた ばっか)
1979年、富山県生まれ。小中学生のころに、学習障害(LD*1)、注意欠如・多動症(ADHD*2)、アスペルガー症候群(*3)と診断される。高校の衛生看護科を卒業後、看護学校に進み、正看護師として勤務。名古屋で風俗嬢として働いた後上京し、『漫画アクション』(双葉社)の新人賞に応募、選外奨励賞を獲得し2005年デビュー。『毎日やらかしてます。アスペルガーで、漫画家で』(ぶんか社)など著書多数。『透明なゆりかご ー 産婦人科医院 看護師見習い日記』(講談社)にて、2018年「第42回講談社漫画賞(少女部門)」受賞。本作はNHKでドラマ化され、「第73回文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門」にて大賞を受賞。ペンネームの由来は「起きたばっかり」(写真:栗原克己)

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