ユニークな四国、取材しやすい名古屋

地方企業が多いとのことですが、どこのエリアが面白いですか。

竹内:私が高知出身ということもあるのですが、高知は面白いです。商工会議所が紹介してくれることも多いのですが、外れがありません。

 高知のみならず四国4県では、何でこんなビジネスがあるの、みたいな、個性的な商売をやっている人がいます。正しい鉛筆の持ち方を習得できるグッズを開発した会社、ジビエの肉を使ってドッグフードを作っている会社、エノキダケを乾かしてお菓子にしている会社、豆腐を薫製にして売っている会社など、ネタがとんがっています。四国は本州から行くには結構時間がかかる。情報が限られる中で生きていかなきゃならないから、独特の商売が成立しやすいとも言えます。

名古屋や東海の会社は取材しやすいとのことですが。

竹内:このエリアの商売人は最後まで話してくれる印象があります。経営者を見ていてゆとりを感じるのは、圧倒的に名古屋です。

 少し話が違うかもしれませんが、コンサルタントが名古屋でセミナーをやってうまくいくようだったら全国で通用するというぐらい、名古屋の経営者の目は厳しいと言われます。逆に言えばお金を持っていて、情報を見極めるだけの余裕があるのかもしれません。

 北陸から新潟にかけてはネタが整っているというか、きれいな印象があります。宿泊施設を取材しても何かこう、ふにおちるというか、納得させられます。

 東北の事例は少ないのですが、なぜか山形だけは多いです。特に庄内地方にはキーパーソンがいて、地元の山形の会社をいろいろ紹介してくれます。鶴岡市や酒田市も面白いです。2019年の消費税増税時、酒田の「ふとんの池田」という寝具店ではキャッシュレス還元が話題になると予想、「電子マネーで支払いができるお店」とプレスリリースを配信、メディアに真っ先に取材してもらい集客につなげました。それをきっかけに近所でも電子マネーを導入する店舗が増え、街全体でキャッシュレス還元が盛り上がる流れになりました。

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