世界に3億5000万人のユーザーを抱えるゲーム「フォートナイト」。eスポーツとして開催したイベントの賞金総額は33億円と桁違いの規模を誇る。同ゲームが展開する仮想空間には人気歌手のアリアナ・グランデが「降臨」するなど、関連ビジネスも勃興して巨額マネーが動く。米アップルとの対立も辞さない新たなプラットフォーマーの強さの神髄とは。

人気歌手のアリアナ・グランデは8月にフォートナイト上でライブイベントを開催して話題となった(©2021, Epic Games, Inc. )
人気歌手のアリアナ・グランデは8月にフォートナイト上でライブイベントを開催して話題となった(©2021, Epic Games, Inc. )

 ピンク色に彩られた独創的な空間に、まばゆい光を放ちながらスターが現れた。8月7~9日、人気歌手のアリアナ・グランデが5回にわたってライブイベントを開催。新型コロナ禍で娯楽に飢えていた、全世界のファンが狂喜した。ただしこれは、現実世界の物語ではない。歌姫が降臨したのは仮想世界のゲームの中だ。

 「フォートナイト」。米エピックゲームズが開発・配信するバトルゲームで、世界で最もファンを抱えるゲームの一つだ。2017年の公開からわずか4年ながら、ユーザー数は3億5000万人にまで膨張した。国別人口で世界3位の米国(約3億3000万人)を超える規模だ。

 特定メーカーのゲーム機に依存せず、パソコンやスマートフォンなどインターネットにつながる多くの端末で無料で楽しめる。国境も時差も関係ない。最大100人のプレーヤーが最後まで生き残るために、日夜バトルロイヤルを繰り広げる。

 グラミー賞を受賞した人気歌手がなぜ、こんな殺伐とした場所でライブイベントを開催したのか。秘密はフォートナイトの「パーティーロイヤルモード」にある。バトルを繰り広げる空間とは異なり、音楽ライブなどを楽しむために設定されたものだ。フォートナイトにはほかに、開発元のエピックが設計するゲーム空間とは別に、各ユーザーが独自の仮想世界を構築して集客できる「クリエイティブモード」などもあるのが特長だ。

 イベントへの参加は無料だが、限定アイテムなどの販売が可能で経済効果は大きい。20年4月には米国の人気ラッパー、トラヴィス・スコットがイベントを開催。世界各地から1230万人が同時に接続し、アイテムの売り上げなどが2000万ドル(約22億円)に上ったとされる。同年8月には人気シンガーソングライターの米津玄師もフォートナイト上で楽曲を披露した。

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