<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは:</span>「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 日経ビジネスLIVEでは、10月5~7日の3日間にわたり「The Future of Management 2030:資本主義の再構築とイノベーション再興」と題したWebセミナー(ウェビナー)を開催。世界中の経済・経営学の英知を結集して、2030年の企業とマネジメントのあるべき姿について意見を交わしました。

 10月6日には「マーケティングの父」として世界的に知られるフィリップ・コトラー米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院名誉教授による基調講演と星野佳路・星野リゾート代表による対談を展開、今後のマーケティングに必要な視点などについて対談しました。モデレーターは日経ビジネス編集委員の山川龍雄。アーカイブ1回目は、コトラー教授の基調講演をお届けします。

世界を変える『ウェルビーイング・マーケティング』

山川龍雄・日経ビジネス編集委員:本セッションは、コトラー教授の講演、コトラー教授と星野代表の対談、そして視聴者からの質疑応答にコトラー教授と星野佳路代表にお答えいただきます。

 コトラー教授は、皆さんもご存じの通り「マーケティングの父」と称されていますが、今もなお毎年マーケティング理論をブラッシュアップされています。最近の関心事は、いかにお客様、消費者、社会全体に恩恵をもたらすか、それとマーケティングを高次元に融合させていくかということだそうです。

 本日はコトラー先生が自らの言葉でご自分の考えていらっしゃる最新のマーケティングについて語っていただく貴重な機会です。講演の後、日本を代表する経営者である星野リゾートの星野佳路さんと対談していただきます。星野氏が生徒役で、コトラー教授が先生役ということで、質問を重ねて、コトラー教授の論考を深掘りしていきます。では、コトラー教授の講演に移ります。

講演は4部構成である。1、初期の企業経営はどのようなものだったのか、2、経営思想を形成したビジネスリーダーは誰だったのか? 3、企業の社会的責任はどのようにして生まれたのか? 4、ビジネスの目的と責任に関する最新の企業の考え方は何か? だ。以下に、コトラー教授の講演録を掲載する。

コトラー教授基調講演:「ウェルビーイングと企業マネジメント」

その1 歴史の人、アンドリュー・カーネギー

 1870年前後、南北戦争が終わった頃、産業革命が始まった頃の米国のリーダーについて振り返ろう。当時、ヴァンダービルドは汽船や鉄道の事業を、カーネギーは製鉄会社を所有していた。JPモルガンは米国政府が財政危機に陥った際にお金を貸した人物である。さらに石油王のロックフェラー、金融界の天才といわれたグールドなどがいた。彼らは米国の産業を立ち上げることに貢献した人たちであった。その中で私が注目したい1人がアンドリュー・カーネギーだ。

 カーネギーは製鉄会社を設立し成功した人物であるが、実は彼は従業員に安い賃金を払っていて、従業員の抗議に遭うと警備員を雇い、銃で防衛した、という逸話が残る。こうした行動は従業員が決して忘れることができない過酷なものだったようだ。彼はそうやって世界一の金持ちにのし上がった。

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この記事はシリーズ「資本主義の再構築とイノベーション再興」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。