<span class="fontBold">「日経ビジネスLIVE」とは:</span>「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
「日経ビジネスLIVE」とは:「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト

 新型コロナウイルス禍でデジタル化が急速に進展し、企業は働き方のみならず、価値観の見直しが求められています。一方で、ポストコロナの新時代を見据えた対策も考えなくてはなりません。思想信条や官民を問わず、地球の気候変動や格差拡大に対する取り組みが世界的に重要な課題と認識され、社会のあり方や、生活の質向上に着目した資本主義の再構築が議論されています。

 日経ビジネスLIVEでは、2021年10月5~7日の3日間にわたり「The Future of Management 2030:資本主義の再構築とイノベーション再興」と題したオンラインセミナー(ウェビナー)を開催。世界中の経済・経営学の英知を結集して、2030年の企業とマネジメントのあるべき姿について意見を交わしました。

 10月7日の特別対談「ニッポンのKAISHA再興を実現する『両利きの経営』」には、米国経営学界における「日本推し」では右に出る者がいないともいえる企業戦略論の経営学者、ウリケ・シェーデ教授と、既存事業と新規事業を両立させる「両利きの経営」の組織行動論で知られるチャールズ・オライリー教授が登壇。夫婦でもある著名な経営学者2人に、日本企業の今後について存分に語っていただきました。モデレーターは日経ビジネス編集委員の谷口徹也が務めました。

 今回は2021年10月7日に開催されたウェビナーの後半を、動画とテキストで配信します。オライリー教授の講義から、富士フイルムやAGCなど日本企業の「両利きの経営」を学びます。
 

※日経ビジネスLIVEで実施したウェビナー(2021年10月7日開催)の再配信です。

ニッポンのKAISHA再興を実現する「両利きの経営」

谷口徹也(日経ビジネス編集委員、以下谷口):続いて、チャールズ・オライリー教授に「両利きの経営」をテーマにご講演いただきます。ではオライリー先生、よろしくお願いします。

チャールズ・オライリー氏(米スタンフォード大学経営大学院教授、以下オライリー氏):ありがとうございます。20年前、50年前に比べ変化のペースが加速したことで、企業は新しい問題に直面しています。

 これはグローバル産業と製品サービスの一覧ですが、これらはすべて技術革新だけでなく、国際競争や規制、消費者の好みなどの変化に伴う破壊的な変革にさらされています。さらに重要なのは、大企業の多くが経営破綻しているという事実です。

 ある米コンサルティング会社は、2015年から2025年の間に主要500社で構成する株式指数S&P500の大企業の半数が入れ替わると予測しています。これは従来の大企業の重要性が失われていることを意味します。

 2年ほど前に私が記憶を頼りに作成した倒産企業リストを見ると、大企業の倒産が世界的な現象であることは明白です。米国は他国に比べ早く進んでいますが、ドイツのカールシュタットや日本のカネボウなど世界中で起きています。

 こうした大企業が倒産した原因はテクノロジーではなく、経営者が複数の戦場で戦えるよう会社を導けなかったことです。利益が出ている従来事業と並行して、新規事業への参入方法を見つけられなかったのです。

 なぜこのようなことが起きているのでしょうか? 企業はまず戦略を立て、事業内容と競争方法を決めます。戦略が決まったら、それを進めるために向こう1~2年で実行すべきタスクを決めます。

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この記事はシリーズ「資本主義の再構築とイノベーション再興」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。