
「読むだけではなく、体感する日経ビジネス」をコンセプトに、記事だけではなくオンライン/オフラインのイベントなどが連動するプロジェクト
世界で必要とされる日本や私たちであり続けるために、必要なリーダーシップとは何でしょうか。日経ビジネスLIVEでは2021年10月5~7日の3日間にわたり、ノーベル賞受賞者を含め、世界の名だたる経済・経営学の英知とともに「The Future of Management 2030:資本主義の再構築とイノベーション再興」というオンラインセミナーを実施しました。
10月7日の特別対談に登場したのは、日本の企業経営を長年研究し、米国経営学界における「日本推し」では右に出る者がいないとされるウリケ・シェーデ教授と、既存事業と新規事業を両立させる「両利きの経営」の組織行動論で知られるチャールズ・オライリー教授です。
今回は10月7日に開催された特別対談の動画とテキストを2回にわたり配信します。これからの日本に必要な企業変革のあり方、そしてイノベーション再興について探っていきます。前半は、シェーデ教授の講演から。
※日経ビジネスLIVEで実施したウェビナー(2021年10月7日開催)の再配信です。
谷口徹也(日経ビジネス編集委員、以下、谷口):シェーデ教授とオライリー教授は共に経営学者のご夫婦でいらっしゃいます。シェーデ教授は「日経ビジネス電子版」で、第37回大平正芳記念賞を受賞した著作『The Business Reinvention of Japan』を基にした連載を展開されました。オライリー教授は既存事業で稼ぐことと新規事業を育てることを両立させる「両利きの経営」という考え方が広く知られ、反響を呼んでいます。
ではまず、お2人のご紹介を兼ねたクイズです。1問目はシェーデ教授から。シェーデ教授は大変な日本通で、9年間日本で日本企業の研究をされたことがあります。そんなシェーデ教授が今まで学んだことがない学校は、以下のどちらでしょうか? 皆さま、回答をお願いします。
(A)ボン大学 (B)一橋大学
(C)ハーバード大学 (D)東京大学
それでは回答結果を見てみましょう。……東京大学を選ばれた方が49%と圧倒的ですね。
正解は東京大学でした。シェーデ教授、何をきっかけに日本を気に入られたのでしょうか?
日本語に興味を持ち、20歳で日本へ
ウリケ・シェーデ氏(米カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバル政策・戦略大学院教授、以下シェーデ氏): 最初は日本語に惹かれ、その後日本社会や日本の会社のあり方に関心を持ちました。20歳のときに初めて日本に来ました。
谷口:ありがとうございます。このような日本好きの方がいらっしゃるのは、日本人として大変うれしいことですね。

では、オライリー教授に関するクイズです。オライリー教授が今までに教壇に立ったことがない大学は以下のどれでしょうか?
(A)ハーバード大学 (B)コロンビア大学 (C)カリフォルニア大学バークレー校 (D)マサチューセッツ工科大学(MIT)
正解は……DのMITです。オライリー教授、どのような経緯でこういった大学で教えられることになったのですか?
チャールズ・オライリー氏(米スタンフォード大学経営大学院教授、以下オライリー氏):米国ではサバティカル(長期の研究休暇)を取り、休暇中にほかの大学で教えることがよくあります。私もサバティカル中にハーバード大学、コロンビア大学で教えました。カリフォルニア大学バークレー校で長年教壇に立った後、スタンフォード大学に移ったのです。
谷口:なるほど、お2人ともハーバード大学で学んだり教えたりされたことがありますが、お2人が共同研究をされるきっかけになったのでしょうか?
シェーデ氏:お互いカリフォルニア大学バークレー校に勤めていたときに出会いました。そこから日本についての共同研究が生まれたのです。
谷口:ありがとうございます。では進めてまいりましょう。まずシェーデ教授から、「日本企業の再構築」についてご講演をいただきたいと思います。シェーデ教授、よろしくお願いいたします。
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