「スーパーシティ」構想の実現に向けた議論の高まりを受けて、多くの自治体が未来の街づくりに向けた議論を進めている(前回の記事:建築家・隈研吾氏のスーパーシティ論「もう一度、江戸に学ぼう」)。その中で、より先進的で、よりスピーディーな取り組みができると期待されているのが民間企業主導のスマートシティ計画だ。2020年1月にトヨタ自動車がぶち上げた未来都市構想「ウーブン・シティ」の建設予定地に行ってみた。

「日本の東富士にある土地に、未来の実証都市をつくります。人々が実際に住んで、働いて、遊んで、そんな生活を送りながら実証に参加する街です」
トヨタ自動車の豊田章男社長は2020年1月、米国ラスベガスで開催された「CES 2020」の会場でこう宣言した。その街の名は「Woven City(ウーブン・シティ)」。20年末での閉鎖を発表していた東富士工場(静岡県裾野市)の跡地に未来都市をつくり上げる構想だ。
約70ヘクタールの工場跡地に建設されるウーブン・シティには、2000人程度の住民が入居すると想定されている。国内外から移り住んでくる住民を対象に、自動運転やロボットなどの最先端技術を導入した実証実験を幾つも展開していく予定だ。トヨタは「富士山」の語呂合わせで21年の2月23日に地鎮祭を開いた。25年までに入居を開始できるようにする計画という。
8月下旬、その未来都市が生まれようとしている現場を訪ねた。
JR御殿場線の岩波駅から西に1kmほど歩くと、東富士工場の跡地が見えてくる。敷地のすぐそばには東名高速道路の裾野インターチェンジ。東名高速道路をはさんだ西側には高速周回路などもあるトヨタの東富士研究所もある。
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