日本の人手不足はコロナ後に一層深刻に

 さて、このような脆弱性の中でも、コロナ危機が終わった後に確実に問題となるであろう分野、しかもコロナ危機とは正反対の問題を引き起こしかねない分野がある。それは、「女性の雇用」である。なんと「調整弁」だったはずの女性に、今まで以上に頑張って働いてもらうしかなくなるのである。それはどういうことだろうか。

 新型コロナウイルスは、私たちの暮らしとともに仕事のやり方を大きく変えた。特に今回コロナの影響を大きく受けた宿泊・飲食・生活関連サービスなど対人サービス業においては、感染対策業務が引き続き負担となる。

 例えば旅館などの宿泊業では、従来のベッドメーキングなどの業務に新たに寝具や家具などの消毒を行う仕事が増えた。このことは対人サービス業の労働生産性を一定程度低下させている可能性がある。一般に労働生産性とは、付加価値を労働投入量で割ることによって算出される。コロナ感染拡大以降の付加価値と労働投入量をコロナ前と比較すると、実際の労働投入量ほどには付加価値が得られておらず、感染対策を続ける限り、労働生産性が1割程度低下する可能性がある(図表2)。

感染対策が労働生産性を低下させる
感染対策が労働生産性を低下させる

 そもそもコロナショックの前の日本経済の大きな課題は、「少子高齢化に伴う深刻な人手不足」だった。パーソル総合研究所は2030年の人手不足を全産業で644万人との予測を発表している。

 ここで仮に、対人サービス業の生産性低下が2030年まで続くとすると、野村総合研究所の試算では人手不足は「1047万人」に達する可能性がある。この人手不足を解消できなければ、日本経済そのものが立ち行かなくなる。

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