全国で個人情報保護ルールがいくつも存在し、地域間で融通しづらい「2000個問題」。3つの法律だけでなく各地方自治体が独自に条例を定め、合計約2000に及ぶ。個人向けサービスを改善するにも、個人情報をどう扱えば各地で違反とならないかというリスクに直面する。これから進む制度改正や政府のガバメント・クラウド構築は、こうした課題を解決できるだろうか。
経団連の根本勝則専務理事は「社外とのビジネスだけでなく従業員の健康管理にも関わるので、すべての企業にとって2000個問題は他人事ではない」と強調する。そして「足元の法改正によって全国統一ルールへの集約が進む一方、まだ自治体ごとの課題も残る」と話す。
まず、どう改善されるのか。デジタル改革関連法の一環として2021年5月、個人情報保護法は抜本的に改正された。実際の施行時期は対象によって異なるが、地方公共団体が関わる分野は23年春を目指している。
これまで個人情報保護の法律だと①行政機関向け、②独立行政法人向け、③民間向け、という3法があった。これらを新たな個人情報保護法では一本化する。さらに個々の地方公共団体が定めている個人情報保護の条例は、基本的に全国統一ルールにまとめる。全体の所管も、個人情報保護委員会に一元化することになった。
残る自治体のさじ加減
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