A案か、B案か、はたまたC案か。どれも捨てがたいアイデアだったとき、短時間で消費者の反応を集めることができたなら――。2022年4月21日、そんな要望に応えるサービスが産声を上げる。「ノビシロ」だ。
仕掛けるのは、ネット印刷のラクスル子会社でテレビCMの運用支援を手掛けるノバセル(東京・品川)。わずか20分で100人の声を集めて経営判断に生かせるという、超高速オンライン調査サービスである。

会議中に答えを出せる
「この発表会中に調査回答を得るということを、ぜひやってみたい」
事業戦略発表会の席上、ノバセルの田部正樹社長はサービスの詳細を説明するより早く、こう切り出した。
性別や年代、居住地、未婚か既婚か、子供の有無などを選択してターゲットを絞り、質問文を入力。送信すると、すぐさま調査が始まる。実際、発表会の後半には結果がグラフ化された形で確認できた。
田部氏は言う。「そのアイデアを20分でファクトにしましょう、ということです」
製品のネーミングをどうするか、どちらのパッケージが消費者に受けるのか。ビジネスにおいて決断を迫られる場面は多い。ノビシロを使って会議中にアンケートを投げれば、会議終了を待たずして答えが出るのだ。

「これまではいいアイデアを思いついたとしても、その場でしっかり調査を取ることは難しかった。直感で決めることも多かったと思うが、我々のサービスだと、顧客の生の声に基づいた迅速な意思決定が可能になる」(田部氏)
売りは速さだけではない。安さだ。5問、100人のサンプルを集める場合は2万円から利用できる。ノバセルによると、従来の調査会社だと、10万円前後からが一般的。調査会社を介さず、直接アンケートを配信することで、費用を大幅に抑えたという。
アンケート会社のモニタス(東京・港)と連携し、総数約1900万のアンケートモニターを確保。ここから調査内容に応じて対象を絞ることができる。不良回答は除外するなどして、回答精度の向上にも努めるという。
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