誤情報に対しては警告ラベルや削除依頼で対応

ツイッター上でのフェイク情報への考え方について教えてください。

永妻氏:ツイッター上の会話は非常に開かれたものです。誤った情報が発信されても議論が発生し、専門家をはじめ他のユーザーによって間違いが指摘されるということがよくあります。だからこそ、一企業が情報の真偽を判断し、一方的に削除すべきではありません。

つまりツイッター上の情報をどう利用するかはユーザーの自己責任ということですね。

永妻氏:ユーザー自身にツイッター上の議論しっかり見ていただいた上で、それをどう活用するのかご自身でご判断いただければと思います。

とはいえ、健康や生命に関わる誤情報は放置するわけにいかないと思います。

永妻氏:健康や生命にかかわる誤情報、身体的な暴力行為につながるおそれのある情報、市民活動自体を阻害する可能性のある情報に関しても、私どもが直接削除はしません。誤情報であることについて警告ラベルを付与したり、当該ツイートが拡散しにくくしたりして、投稿者への削除依頼を行います。最終的にはアカウント削除などの強制措置を取りますが、それはポリシーによる厳正な判断に基づきます。

新型コロナウイルスの感染拡大に対しての取り組みを教えてください。

永妻氏: 20年3月からタイムライン(ツイートが表示される画面)の一番上のスペースを利用して、ワクチン情報を伝える首相官邸のアカウントに誘導しました。

 音声でリアルタイムに会話を楽しむことができる機能「スペース」を利用して、21年7月には河野太郎ワクチン担当大臣(当時)とアーティストのYOSHIKIさんにワクチンについて対談してもらい、当時の日本最高リスナー数を記録しました。ワクチンに対して十分な情報を持たない人々や誤った情報を持つ人も、著名人の対談を通して興味を持って正しい情報を得られる。ツイッターならではの貢献です。

災害発生時のツイッターの役割も増していますね。

永妻氏:22年1月から「Yahoo!防災速報」アプリの地図に災害発生地点の写真ツイートを表示しています。積雪や交通封鎖などの写真を見られるので事前に危険を回避できます。外部の企業がツイッターの情報を役立てられる事例です。二次災害予防のために有効活用してもらえればと考えています。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

春割実施中

この記事はシリーズ「Xの胎動」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。