2021年11月にツイッタージャパン(東京・中央)の社長に就任した永妻玲子氏に、日本のツイッターユーザーの特徴や運営企業としての社会的責任について聞いた。永妻氏は「投稿内容の真偽を一企業が判断できない」とし、問題のあるツイートでも積極的には削除しない方針を示した。

ツイッタージャパン社長。日本マイクロソフトで事業戦略企画に従事し、2009年にアマゾンジャパンへ。18年からはアマゾンジャパンのセラーサービス事業本部長を務め、21年11月から現職。(写真=的野弘路)
日本のツイッター利用者にはどのような特徴があるのでしょうか。
永妻玲子ツイッタージャパン社長(以下、永妻氏):当社が21年5月に実施した調査によると、日本のユーザーのおよそ3割はツイッターを「今起こっていることが分かる場所」と考えています。例えば、最新ニュースや通勤中の電車の遅延情報をリアルタイムで知りたい人は、まずツイッターを見にいく。もしくは、何かニュース情報を得たときに、検索してニュースを探しにいく。
また、見たことをすぐに共有するという使い方も特徴です。同じ調査によれば、日本のユーザーのおよそ3人に2人は、テレビを見ながらツイートします。盛り上がっている瞬間を共有したいという思いの表れです。
例えば、昨年(21年)の東京オリンピック・パラリンピック関連では非常に大きなボリュームのツイートがされ、インプレッション(表示)総数は823億回を超えています。アニメ映画の劇場版『鬼滅の刃』無限列車編が21年9月にテレビ放映された際には多くのユーザーがツイッターでつぶやきました。
日本では、幅広い人がリアルタイムで起きている情報を共有するプラットフォームとなっているということですね。
永妻氏:そういう連鎖が、ツイッターの拡散力を高めていると思います。調査会社のインテージが19年12月に実施した使用メディア調査によれば、日本では人口の約20%に情報が到達するまでのスピードが最も速いメディアはツイッターです。
ツイッターにとって日本市場はどんな意味を持つのでしょうか。
永妻氏:日本市場の売り上げ規模は世界2位で、約12%を占めます。ツイッターは23年までにグローバル売上高を倍増する目標を掲げており、非常に重要な市場です。米国本社は日本法人の意見をよく聞いてくれますし、日本での取り組みにも強い関心を持っています。
今後、新規ユーザーを定着させユーザー数を増やし、広告ビジネスを拡大する必要があります。そのためにはユーザーに安心して使ってもらう必要があり、プラットフォームとしての健全性向上が重要です。
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