従来の日本型経営が持つ良い部分を残しつつ、時代に合わない部分をどう改め、新しい良さや価値観を付け加えていくか。日経ビジネスLIVEでは2021年9月28日、29日の2日間にわたり、「スモールビジネスから始まる『ネオ日本型経営』」と題したウェビナーを開催した。

 2日目の第1セッションでは、「未利用資源」を活用するファーメンステーション代表取締役の酒井里奈氏と、宇宙で新事業を展開するPale Blue代表取締役の浅川純氏が登壇。「スタートアップが切り拓く新マーケット」というテーマで議論した。その模様を収録したアーカイブ動画とともにお伝えする(構成:藤原達矢、アーカイブ動画は最終ページにあります)。

原隆・日経ビジネス副編集長(以下、原):本日は、酒井さんと浅川さんのお2人にお話を伺います。酒井さんが代表取締役を務めるファーメンステーションは、これまで価値を見いだされていなかった「未利用資源」を活用する非常に魅力的な事業をしています。浅川さんが代表取締役を務めるPale Blueは、今まさに盛り上がっている未知の領域、宇宙で新しい事業を立ち上げている企業です。本日はよろしくお願いいたします。

未利用資源を活用したプロダクトを製造

ファーメンステーション代表取締役 酒井里奈氏(以下、酒井氏):ファーメンステーションは今年で13年目になる会社で、社名は、「発酵の駅」という意味で名付けました。発酵技術を活用して、使われていない資源である「未利用資源」をアップサイクル(付加価値を高めた再利用)して世の中に流通させることを目指しています。

ファーメンステーション代表取締役の酒井里奈氏
ファーメンステーション代表取締役の酒井里奈氏

 私はもともと金融業界にいましたが、発酵技術の面白さを知って東京農業大学に入り直し、醸造を学んで会社をつくりました。今は東京と岩手に拠点があります。岩手県の奥州市に工場を持っており、いろいろな未利用資源をオリジナルの機械で発酵させてアルコールなどをつくる事業をしています。最初は原料だけで事業をやろうと思っていましたが、なかなか難しいと途中で気付き、製品化まで一気通貫で行っています。

 最近では、最終的に廃棄となるバナナからプロダクトを作ったり、象印マホービンさんや中国銀行さんなど、いろいろな企業とご一緒させていただいたりするようになりました。ごみを出さない事業であることも弊社の特徴です。残ったかすも化粧品の原料として使用したり、ニワトリの餌にしたりしています。

:ありがとうございます。続いて、浅川さんお願いします。

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