政府が9月1日に設置したデジタル庁の事務方トップとなる「デジタル監」に一橋大名誉教授の石倉洋子氏が起用されました。
 変化の時代は、完璧を目指さずに「まずはやってみる」ことが重要になります。「完璧の呪縛」と向き合うために、私たちはどうしたらよいのでしょうか。
 本稿では、石倉氏がダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)などで交流を持った、世界のビジネスパーソンから得たヒントを、著書『世界で活躍する人の小さな習慣』(日経ビジネス人文庫)より、一部抜粋、編集し紹介します。

完璧を期すがゆえに「何もできない(したくない)」

 皆さんは、次のうち思い当たることはありませんか?

  • 外国語がなかなかできるようにならない
  • 「質問やコメントはありませんか?」と聞かれても、なかなか思いつかない
  • 意見を言わない
  • 好きなことがありすぎる、逆に好きなことが見つからない
  • すぐ返事を出さない

 思い当たるものがあれば、「完璧の呪縛」にとらわれている可能性があります。

 「完璧の呪縛」とは、100パーセントできるようにならないうちは何もできない(したくない)、いろいろなことがわかってからでないと意見を言えない、相手の答えを想定してからでないと質問ができない、何かいただいた時にきちんとしたお礼の言葉が浮かばないから返事を出さない――といった心の状態を指します。

 私は「完璧を期する」こと自体は悪いことではないと思います。最後までやり遂げよう、きめ細かくいろいろなことを想定して何が起きても対応できるように準備しよう。こうした姿勢は電車が定刻通りに走る、ゴミがなくて街が清潔といった日本社会の秩序正しさや日本製品の品質の高さを実現する原動力になっていることが確かだからです。自分の仕事を全うしようという姿勢の表れですし、いい加減にしないという点では私たち日本人の誇るべき特性だと思います。

続きを読む 2/5 「プロトタイピング」ができず、状況も変化してしまう

この記事はシリーズ「世界で活躍するデジタル庁トップの小さな習慣」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。