自分でいろいろ経験して学ぶ以外に方法はない

 いずれにしても、自分からアウトプットする、表現することは、世界で活動する場合には、とても重要です。そして、自分の希望を伝える、意見を明確に述べるためには、それなりの「練習」が必要です。

 自分から意見を言ったり質問したりすると、誤解されることもあるし、一部の国や会議などの場では表現方法が適当でないこともあります。

 たとえば、同じ英語を話す国でも、米国は表現が直接的であるのに比べると、ヨーロッパやアジアでは必ずしもそうではないように思われます。米国に初めて住んだ頃は、何かに誘われた時、明らかに行けなくても、すぐ断ることは失礼なのではないか、と思い、あいまいな言い方をしていました。私自身はやんわり断ったつもりだったのですが、相手は私がはっきりと断らないのだから来るのだろうと思い、結果的にその誤解を解かねばならなかったこともあります。

 一方、英国などでは、もってまわった言い方をすることもあるので、「本当は何が言いたいのか」「どう言ったらよいのか」と迷うこともあります。

 しかし、こうしたことはテキストや本には書いてありません。自分でいろいろな場面で試してみて、体感し、次第にどうすべきか学ぶ以外に、良い方法はないと思うのです。

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