オンラインショッピングの顧客を常連にするには?(写真=PIXTA)
オンラインショッピングの顧客を常連にするには?(写真=PIXTA)

 「ビッグデータ」や「データサイエンス」と言ったデータに基づく意思決定がビジネスに浸透し、データ駆動型のAIマーケティングが多くの企業で実践されるようになってきた。有名なところでは、NetflixやAmazonの推薦エンジンや、MetaやGoogleのオンライン広告の配信などがよく知られているであろう。

 しかし、マーケティングにおいて最も重要なトピックの一つである顧客関係管理(Customer Relationship Management:CRM)について、データと理論に基づいて実施される例はあまり知られていない。

 CRMにおいて鍵になるのが、どのようにリテンション(定着)を高めるのかという問題だ。計量マーケティングが専門の経済学者である筆者はこれまで、日米の様々な企業とCRMに関する共同研究を行ってきたが、今回は、「ビッグデータによるリテンション改善」というCRM施策の例として、日本最大級のファッションEC(電子商取引)サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOとの共同研究(Ryuya Ko, Kosuke Uetake, Kohei Yata, and Ryosuke Okada [2022] "When to Target Customers? Retention Management using Dynamic Off-Policy Policy Learning”)を紹介したい。

 ZOZOTOWNは年間購買者数1000万人以上を抱えるオンラインプラットフォームであるが、初回購買者のリテンションを改善することが当時重要な事業課題の一つになっていた。このリテンションの改善は、ビジネスにとって重要であるだけでなく、筆者のようなアカデミア(学問の世界)の研究者にとっても重要な問題である。

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