米国が経済的な活力と革新性を維持しているのは、他国からの移民を受け入れる能力に負うところが大きいと思います。一方、この問題は、おっしゃるとおり、非常に政治的な問題です。

 移民を積極的に受け入れている人たちでさえ、完全に国境を開放しようとは言わないものです。完全に自由な移動、自由な移民を認めるというわけではありません。どのような条件で、どれくらいのスピードで、どのように移民を受け入れていくのかを考える必要があります。そしてこれは、より広範な民主的な議論と討論の一部であるべきだと思います。

経済不安が対立を深める

 一般的に、人々は経済的な安定を感じているときには、異なる文化や伝統を持つ人々の移民を受け入れる傾向があります。しかし、経済的に安定していないとき、経済状況が悪いときは、移民を脅威と見なす傾向があります。

 経済状況が悪く、経済的不安が大きいときに、「私たちvs彼ら」というメンタリティーが生まれるのです。

 基本的な経済不安がもたらす問題に政策的に対処して人々が安心して暮らせるのであれば、一般的には人々は移民を受け入れる傾向にあることが分かると思いますし、移民の受け入れを増やすことを考えるよいタイミングだと思います。

(後編に続く)

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