ウクライナへの攻撃は続いている(写真=UKRAINIAN EMERGENCY SERVICE/AFP/アフロ)
ウクライナへの攻撃は続いている(写真=UKRAINIAN EMERGENCY SERVICE/AFP/アフロ)

 ロシア軍がウクライナに軍事侵攻して5カ月、ロシア軍はドンバス地方に容赦なく攻め入っている。西側の論客からは、ウクライナ軍にもっと早く武器を供給するよう求める声もある。これはプーチンの暴挙を止める上で必要不可欠だが、彼が次の血なまぐさい侵略を始める前に再装備する時間を与えるだけになってはならない。果たしてウクライナ軍への武器供給は、プーチンの暴挙をすぐに食い止めるのに十分な効力があるのだろうか?

 アブリル・ヘインズ米国家情報長官によれば、軍事衝突がすぐに終わる見込みはない。したがって、プーチン政権の経済力と、ウクライナのみならず他の国々に対しても起こしかねない、長期にわたる戦争を遂行する能力を奪うことを目標とするのは、理にかなっている。プーチンの戦略上の大きな弱点は、ロシアが化石燃料の輸出に過度に依存していることだ。化石燃料の輸出は、ロシアの外貨流入のほぼすべて――戦争開始後100日間で1000億ユーロ(約13兆9000億円)近く――を生み出しているのである。

 もしロシアがどこかの国の民間人に核兵器を使用したら、世界はどのように反応するか考えてみよう。その残虐行為の恐ろしさから、良心を持つすべての国がロシアから石油を含む物品を購入することを即座に拒否するだろう。プーチンの収入は途絶え、ルーブルは急速に下落し、ロシア全土でインフレがまん延する可能性が高い。そうなれば、ロシアの政権が戦争を続けられるとは到底思えない。輸出が滞ればハードカレンシー(国際通貨)も得られず、海外から物資を購入することもできない。

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